SEAnews 2003-03-14 ArtNo.30777

【ニューデリー】Marico Industriesはプレミア・ブランドの調理用油Saffolaを1キロ当たり105ルピーに引き上げ、これまで心理的上限と目されて来た100ルピーを上回る最初の食用油ブランドになった。
エコノミック・タイムズが3月11日報じたところによると、これは8％の消費税と原料のkardi原油が急騰したためだが、ヘルス・コンシャスな消費者層をターゲットにしたSaffolaは、これによりインドで最も高価な調理油になった。他のトップ・ブランドには、Sundrop、Nature Fresh、Fortune等が挙げられる。これらの製品もキロ当たり3～5ルピーの値上げを行い、8％の消費税を顧客に転嫁したが、Saffolaに比べれば依然低廉と言える。
ブランド調理油は、年間600万トンの食用精油市場の10％を占めるに過ぎない。値上げを行ったブランド食用油メーカーはより大きなブランド・バリューを創造し、消費者を納得させねばならない。
国内で消費される食用油のほぼ60％は原油に分類され、こうした食用油には消費税は課されない。また消費される食用原油と精油の3分の2は食品会社やその他の法人顧客により購入されており、これらのバイヤーはバルク、もしくはノンブランドのパッケージ・オイルを購入するため、これも消費税の影響を受けない。ホーム・マーケットに関しても、精油及びバナスパティを消費する中下層の消費者は、ノンブランド品を購入するため、やはり消費税を負担する必要がない。
トップ・ブランドは揃って即日値上げに踏み切ったが、これは部分的にしろ消費税を負担するには、あまりにマージンが小さいため。これらブランドの顧客は、新たに出荷された製品が出回る来週から消費税を負担せねばならない。
観測筋は、ノンブランドとブランドの価格差が一層鮮明になったことから、少なからぬ消費者がブランド品からノンブランド品にシフト、ブランド品市場はこのため20％ほど縮小する可能性があると見ている。
しかしこれまでキロ当たり99ルピーのSaffolaを購入して来た者が、6ルピー余分に支払うのはそれほど困難ではないため、この種のブランドのシェアはそれほど大きな影響を受けず、低価格なブランド品ほど打撃が大きいものと予想される。
ちなみに現行法の下、製造元の社名のみが表示されたパッケージ・オイルはブランド品とは見なされず、消費税を課されない。このためブランド名を抹消し、社名のみを表示したパッケージ・オイルが今後増加することも予想されると言う。