【ムンバイ】熱間圧延コイル(HRC)のトン当たり国際価格が380米ドル前後を推移する中、国内の大部分の一次鉄鋼会社は3月1日に再度値上げを行う見通しだ。
鉄鋼価格は昨年4月以来持続的な上昇基調を辿り、鉄鋼銘柄株価上昇の原動力になっているが、エコノミック・タイムズが2月24日報じたところによると、Steel Authority of India Ltd (SAIL)や民間部門のプレーヤーらは、来月からHRC価格をトン当たり500~1000ルピー値上げすることで合意したもようで、Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)幹部もトン当たり700ルピー前後の値上げを示唆した。これによりHRCのトン当たり平均価格は消費税込みで2万ルピーと、2001年の値崩れ以来の最高に達する。
こうした動きは冷間圧延(CR)業界とHR業界の論争をさらに過熱させる見通しだが、TiscoのB Muthuraman重役(MD)は、「価格そのものは重要な要因ではなく、市場及び国際的シナリオが鍵になる」と語った。確かに輸出の急成長が、鉄鋼市況を牽引、トン当たりHR価格は2001年の1万1000ルピーから2万ルピーに達しようとしている。
業界筋によると、輸出成長の原動力を務める中国は4月から輸入割当制を導入すると発表している。このことは一部の国にある種の打撃を及ぼす可能性が有るが、インドは継続して輸出することを認められている。中国は年間3000万トン余りの鉄鋼製品を輸入しており、これはインドの年間鉄鋼生産量2600万トンを上回っている。
一方、インド政府は関税優待パス・ブック(DEPB:Duty Entitlement Pass Book)スキームのレートをHR鋼19%、CR鋼21%、亜鉛メッキ鋼22%に、それぞれ4%ポイント引き上げており、同措置はTisco、Essar Steel、Jindal、Ispatを含む大部分の鉄鋼会社に恩恵を及ぼす見通しと言う。