2003-02-21 ArtNo.30653
◆債権回復裁判所、SPIC Petroの管財人指名を指示
【ムンバイ】ムンバイ債権回復裁判所(DRT:debt recovery tribunal)は先週、SPIC Petrochemicalsの資産を売却するため法廷管財人(court receiver)を指名する法廷命令を通過した。
ビジネス・スタンダードとザ・ヒンドゥーが2月19日報じたところによると、今回の裁定はICICI Bankが今年1月にDRTに提出した申請に基づく暫定救済措置だが、AC Muthiahグループがプロモーターを務めるSPICのコメントは伝えられていない。
SPIC Ltd傘下のSPICペトロケミカルズはICICI Bankからローンのリコールを求められている。ICICI Bankは2002年12月に289クロー(US$5976万)のローンをリコールした後、SPICペトロケミカルが支払い義務を履行しなかったとし、ムンバイDRTに保証措置を実行(enforcement of the security)するための法廷命令を申請した。SPICペトロケミカルの負債総額は1100クロー(US$2.27億)を超える。債権金融機関にはICICI Bankの他、Industrial Development Bank of India、State Bank of India、Dena Bank、Bank of Baroda、Indian Bank、Union Bank of Indiaが名を連ねている。
SPICペトロケミカルズは、パラキシレン、PTA、ポリエステル・フィラメント・ヤーンの製造プロジェクトを手がけているが、同プロジェクトはSPIC LtdとMadras Refineries Ltd(MRL:現社名Chennai Petroleum Corporation Ltd)の紛争により1997年以来立ち往生している。
SPICは当初MRLと合弁会社Arochemを設立、ナフサ・ベースの関係プロジェクトを進めるため1989年に覚書を交換したが、MRLの準備が遅れたことから、単独でプロジェクトを進める方針を決め、1994年にSPICペトロケミカルズを設立した。しかしMRLはSPICが契約違反を犯したとしてプロジェクトの差し止めを法廷に申請した。
こうした中でプロジェクト・コストも当初見積もりの2125クローから4121クロー(US$8.52億)に膨張した。
SPICとMRLは1998年8月に示談書(memorandum of settlement)を交換、SPICはMRLがプロジェクトから手を引く代償として、後者に40クロー(US$827万)を支払うことを認めた。しかしSPICは2年を経た今になっても40クローの支払いを実行していない。SPICはプロジェクトの再スタートに不可欠な40クローの支払いを滞らせているだけでなく、455クロー(US$9409万)の資本金も払い込んでいない。このためプロジェクトは4年を経た今になっても再開の目処が立たず、コストはエスカレート、プロジェクトの採算性に対する疑問も生じていると言う。
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