【ニューデリー】Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は、“設備能力を上回る生産レベル”、“高付加価値製品中心の製品ミックス”、“コスト削減”、“ハイレベルな鉄鋼市場価格”と、好材料が揃ったことから、前例のない好業績を実現する見通しだ。
ザ・ヒンドゥーが1月27日伝えたところによると、今年初9ヶ月(2002/4-12)のTiscoの税引き利益は549クロー(US$1.135億)と、既に昨年通年の純益204クローの2倍以上に達している。こうしたことから2002-03年通年の業績は、生産、売上げ、税引き利益の何れの面でも、新記録を樹立するものと予想される。
年産120万トンの冷間圧延工場(CRM)は操業2年目の現在、100%を越える稼働率を実現、鋼板製品の重心も高付加価値製品に大きくシフトした。2001-02年には熱間圧延(HR)製品が66%、CR製品が26%、亜鉛メッキ鋼板が8%だったが、今会計年度は上記3品目の比率は55%、30%、15%に変化した。CR製品の価格は、HR製品のそれをトン当たり80~100米ドル上回ることから、今年の鋼板売上げは昨年比35%アップしている。
TiscoのH. M. Nerurkar副社長によると、次期会計年度はCR製品と亜鉛メッキ鋼板が、鋼板売上げ全体の50%以上を占める見通しだ。自動車、包装、家電製品方面のCR製品に対する好需要が維持される他、ハイウェーのガード・レール、プレハブ・ハウス等の領域の新需要が期待できる。Tiscoは特別チームを組織し、プレハブ会社のCR需要に応じる他、国内自動車産業のCR需要の主要部分掌握を目指す。同社は現在自動車産業向けCR製品市場の20%のシェアを占めている。
Tiscoはまた75~100クロー(US$1551万-2068万)を投じてカラー・コーテッドCRコイルの製造施設を設ける計画で、近く取締役会の協議にかける。新施設は許可されれば、2004年に稼働する予定だ。カラー処理のCRコイルは無地のCRコイルに比べトン当たり5000ルピーほどハイ・マージンが望める。生産したカラー処理CRコイルの半ばは米国、欧州、中国方面に輸出する。
条鋼部門についても2年前までは再圧延業者向けの低価格なビレットが全体の19%を占めていたが、鋼線(wire rod)の製造能力拡張も有って、今では半完成品のシェアは6%に縮小している。
Tiscoは最近また顧客のロイヤルティーを確保し、ハイ・マージンが望めるブランド製品の販促に力を入れている。ブランド品条鋼/鋼板のシェアは2001年度には全体の5%を占めたに過ぎなかったが、今会計年度は17%に拡大する見通しと言う。