2003-01-29 ArtNo.30520
◆政府、多国籍アルコール飲料会社3社の投資申請棄却
【ニューデリー】インド政府は、南アフリカ/英国/ガーナ拠点の多国籍アルコール飲料会社3社-South African Breweries (SAB)/Allied Domecq/Demera Distilleries-の投資申請を異なる理由から過去数日間に保留もしくは棄却にした。
エコノミック・タイムズが1月26日報じたところによると、会社事務局(DCA: Department of Company Affairs)は、SAB India Ltd プロモーターの出資率に疑問を表明、釈明を要求した。例えばHallvard holdsのSAB Indiaに対する出資率は25%とされているが、同社は実際には5万米ドルしか払い込んでいない。これに対してThe Narang Industries Ltd (TNIL)の出資率は15%に過ぎないが、180万米ドルを払い込んでいる。また出資率60%のSAB Internationalは2751万米ドルを拠出している。
SAB Indiaは、その申請書の中でSAB International (Asia) BVの出資率を60%から100%に引き上げる許可を求めている。それによると、TNILとHallvard Ltdは、その持分をSAB Internationalに売却し、合弁事業から手を引くことを希望しており、同案はSAB India取締役会により既に承認されていると言う。
一方、Allied Domecq Spirits & Wines (India) Ltd (ADSWIL)は、インド国内市場と輸出市場向けラム酒を製造する許可を申請した。ADSWILは、これ以前に内外資合弁方式により外国ブランド・アルコール飲料を年間60万ケース製造する許可を得ており、同社は、今回のプロジェクトは既存ライセンスにより許可された範囲に属しているとしている。
しかし化学・石油化学局(department of chemicals & petrochemicals)は、糖蜜ベースのポータブル・アルコールの製造は、ブレンディングとボトリングを許可した既存のライセンスに違反しているとの判断を下した。
他方、Demera Distilleries Ltdは、既存の外国協力許可(foreign collaboration approval)に修正を加え、リースもしくは契約労働方式によりローカルENA (Extra Neutral Alcohol)を製造(蒸留・醸造・ブレンディング・ボトリング)すること及び、糖蜜からENAを製造する蒸留施設を設ける許可を申請した。
しかし、これ以前にポータブル・アルコール飲料に関わる外国直接投資を許可しない方針を転換した政府は、同方針転換に対する最高裁の特別免除を申請したが、最高裁は同案件をペンディングし、まだ裁定を下していない。このため、Demeraの申請も棄却された。
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