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2003-01-15 ArtNo.30430
◆エタノール添加ガソリン、製糖産業に恩恵、化学産業に打撃
【ニューデリー】ガソリンにエタノールを添加すると言うインド政府の最近の試みは、サトウキビ農民に対する支払いを滞らせた製糖業界に新たな収入源をもたらしたものの、年商1300クロー(US$2.69億)の化学業界は高い工業用アルコールの輸入を強いられ、打撃を被っている。
インディアン・エクスプレスが1月14日伝えたところによると、インド化学製造業者協会(ICMA:Indian Chemical Manufacturers Association)のSN Singh会頭は、同紙に以上の消息を語った。それによると国内で基礎原料を調達することができず、高価な輸入品を利用せねばならなくなったことから、元々厳しい経営状態にあった化学産業は、一層困難な状況に直面している。現在化学産業は5億5000万~6億リッターの工業用アルコールを必要としている。
製糖産業は年間約10億2910万リッターのアルコールを生産、これまでは内5億~5億5000万リッターを飲用アルコール業界に、残りを化学業界に供給して来た。しかし、今や石油産業も5億5000万リッターのエタノールを必要としており、化学産業に対する供給が途絶える状況が生じている。
インド製糖業者協会(ISMA:Indian Sugar Mills Association)のSL Jain理事長(DG)によると、政府がサトウキビ価格を引き上げる一方、国内の砂糖価格は下降しているため、製糖業界は副収入により、不足を補わざるを得ない。製糖業界は化学業界に1リッター、15.50~16ルピーで工業用アルコールを供給して来たが、石油業界は1リッター、17.50ルピーをオファーしている。加えて化学業界は糖蜜も捨て値で買い取って来た。このため製糖業者が、化学業界に替えて、石油業界にその製品を供給するのは当然の成り行きと言う。別の製糖業者筋は、「石油業界にしろ、化学業界にしろ、市場価格を支払うものに、製品を供給する」と語った。
これに対してICMAのSingh会頭は、「化学業界は見捨てられ、原料を輸入せざるを得ない状況に陥っているが、政府は高価な輸入アルコールの支払いのために貴重な外貨が国外に流出する事実に直ぐ気付くだろう」、「インド政府は米国やブラジルに倣って、エタノール・ガソリンの導入を計画したが、これらの国にはトウモロコシやサトウキビ等、エタノール原料が豊富に存在する」と指摘した。
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