【ムンバイ】マドヤプラデシュ州における大豆の入荷が急減、価格の急騰とともに、輸出縮小に直面する加工業者を不安に陥れている。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが1月9日報じたところによると、2002年のカリフ(kharif初冬収穫作物)の収穫は、不順な雨期の影響で減少した。Indore拠点のインド大豆加工業者協会(SOPA:Soyabean Processors Association of India)によれば、マドヤプラデシュ州の市場が2002年9-11月の間に入荷した大豆は、133万3000トンと、前年同期の194万トンに比べ3分の1ほど減少、価格も3分の1余り上昇した。
インドール・マンディ(市場)における11月の1キンタル(quintal=100kg)当たり平均価格は前年同月の1026ルピーから1378ルピーにアップした。SOPAによると、マドヤプラデシュ州における12月の入荷は25万トンにとどまった。収穫量は328万トン、インド全体では497万トンに達したものの、市場には収穫量の50%も出回っていない。大豆市場のこうした市況と価格には、様々な要因が関係している。
脂肪種子の今年の収穫量は過去数年来最低の1650万~1700万トンと予想される。カリフの不作に加え、ラビ(rabi春先収穫作物)の収穫見通しも決して良好ではない。大豆農家、取り分けマドヤプラデシュ州の農家は、過去数年間に十分な備蓄(holding capacity)を確保している。農業省は2002年カリフの大豆収穫量を476万トンと予測しており、1キンタル1200ルピー以上の価格は彼らにとって決して予期せぬものではなかった。
大豆油の国際価格は上昇基調を見せており、関税込みの輸入大豆油価格はトン当たり600米ドルと、非現実的レベルに達している。このため輸入は抑制されている。大豆油の輸入は2002年9月までは月間20万トン以上だったが、12月には6万5000トンに下降した。
大豆の国内生産の落ち込みと大豆油の輸入下降は、市場の気分を強気に変えた。SOPAは農民の福祉と農民に有利な価格の実現をその使命としているが、現在の価格が競争力を有するか否か、また長期的に維持可能かも点検する必要が有りそうだ。インド精油業者協会(SEAI:Solvent Extractors' Association of India)の輸出データによると大豆油の輸出は決して順調とは言えない。2002年11月の輸出は19万トンに落ち込んだ。12月には26万トンに改善したものの、前年同月の83万トンを45%下回っている。