2003-01-13 ArtNo.30418
◆Alcoa、タビュラーアルミナ合弁事業の持分拡大?
【コルカタ】世界の最大のアルミニウム会社Alcoaは、Associated Cement Companies Ltd (ACC)と60:40の出資率で1996年に設立したACC Alcoa Industrial Chemicals (AAIC)の持分拡大を図っているもようだ。
エコノミック・タイムズが1月10日報じたところによると、AAICは西ベンガル州Faltaの工場で耐火材、研磨剤、セメント粉砕ホイール等に用いられる特殊グレードのアルミナ“タビュラーアルミナ(tabular alumina)”を製造している。同工場はACCの耐火材部門に属している。
AlcoaスポークスマンのKevin G Lowery氏は「目下のところAAICの持分を拡大する計画はない」としているが、市場には、AlcoaがACCの持分を買い取り、AAICを完全出資子会社にすることを目指していると伝えられている。
ACCは、これ以前に非中核部門から手を引く方針を発表しているが、業界観測筋はAAICの持分拡大は、Alcoaのグローバル戦略にも合致していると語る。目下、Alcoaは独自開発した技術によりタビュラーアルミナの製造を事実上独占しており、世界中にこの種の製品を製造しているアルミ会社は他に存在しない。Alcoaはドイツに設けた工場でこの極めて高価な製品を製造しており、AAICのFalta工場はAlcoaから取り寄せた含水アルミナ(alumina hydrate)から8000トンのタビュラーアルミナを製造しているが、市場に投入する前の最終段階の仕上げ作業を行っているのみで、実際のところ同プラントも関係技術にアクセスすることはできない状況にある。Alcoaは最近中国にもタビュラーアルミナ製造ユニットを設けたが、もしAlcoaがインド市場を本格的に開拓しようと思うなら、AAICを完全出資子会社にすることは理にかなっている。Alcoaはそうすることにより、インドにおける製造業務拡張の過程で、技術上の秘密が外部に漏れるのを防止することができると言う。
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