2002-12-20 ArtNo.30346
◆LG/三星の設備能力アップで、直冷式冷蔵庫値下がりも
【ニューデリー】韓国の大手家電会社2社、LGとSamsungが、それぞれインドにおける製造能力を増強する中で、元々低迷する冷蔵庫市場の値崩れと、マージンの縮小が懸念されている。
ビジネス・スタンダードが12月17日報じたところによると、両社は、何れもインド冷蔵庫市場の80%のシェアを占める直冷式冷蔵庫に照準を合わせた製造能力の拡張を図っており、来年はそれぞれ35%のシェア獲得を目指している。このため直冷式冷蔵庫は来年5~10%値下がりするものと見られ、既存プレーヤーのマージンも当然影響を受けそうだ。
直冷式冷蔵庫市況は過去3年低迷しており、供給能力が拡大し、積極的販促が行われたにしても2003年の市場規模は、今年の340万台から350万乃至360万台に拡大が望めるに過ぎない。目立った市場の成長が期待できぬことから、韓国企業2社の売上げ拡大は、既存プレーヤーの犠牲の上にのみ実現できる。
LG Electronics India Ltd直冷式冷蔵庫部門のAjay Bajaj製品グループ主任は、「我々の策はシンプルで、既存プレーヤーのシェアを削り取ることに他ならない。このため価格戦略が極めて重要になる」と語った。カラー・テレビジョン、洗濯機、エアコンの販売も手がけるLGは2002年を通じ、直冷式及び霜取り不要冷蔵庫合計55万台の販売を目指すと言う。
先週、インド国内における直冷式冷蔵庫の製造計画を発表した三星は、冷蔵庫製造施設に2000万米ドル前後を投じる計画だ。Samsung India ElectronicsのRavinder Zutshi副社長(セールス)は「市場シェアを現在の2倍に拡大する。新製品の発売に際して値下げするかどうか、今明らかにすることはできないが、我々の製品価格が、他社のものより競争力を備えたものになるのは明らか」と語った。
Greater Noidaの自社工場で製造した直冷式冷蔵庫を発売したLGは175リッター製品に7500ルピーの値をつけたが、これは165リッター・モデルの価格である。Bajaj氏によると、Voltas Ltdからアウトソースした直冷式冷蔵庫はB及びCクラスのタウンと農村市場に供給すると言う。
こうした中で地場家電会社BPLの幹部は、自社製品価格に見直しを加える考えを明らかにした。同氏は、「韓国企業との競争が過熱すれば、その最大の犠牲者はマージン」と、懸念を表明した。
しかしVideoconのV N Dhoot会長は「もし競争相手が値下げするなら、我々も同じ戦術をとる。しかしマージンは必ずしも影響を受けない。部品やコンポーネントの価格は世界的に下降しており、我々はこうした恩恵を消費者に分かつことができる」と語った。
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