【ムンバイ】インドの石油精製業界は2002年5月以来、ルピーの対米ドル相場が1.8%(0.75ルピー)強化したことにより、マージンの縮小を見ている。
ビジネス・スタンダードが12月2日伝えたところによると、仮に1バレル当たりの米ドル建て精製マージンを2.8米ドルとすれば、年間原油処理能力600万トンの標準的製油所の場合、ルピー換算で平均3.6クロー(US$74万)の損失を被ったものと見られる。しかし業界筋によると製油業者は原油生産者に比べ、外国為替の変動に対する自然のヘッジ効果を享受しており、ルピー強化に伴う精製マージンの下降はそれほど大きくない。
例えば2002年4月30日のルピー相場は1米ドル=48.97ルピー、平均精製マージンは1バレル当たり137.116ルピー(US$2.8)だった。しかし2002年11月15日のルピー相場は1米ドル=48.23ルピーに強化、精製マージンは135.044ルピーに下降した。
しかしながら、ルピーの強化によりルピー建ての原油輸入価格も下降するため、精製マージンの縮小は有る程度相殺される。インドは必要とされる原油の70%を輸入、年間約1億600万トンを精製している。残りの30%の原油はOil and Natural Gas Corporation (ONGC)とOil India Ltd(OIL)により国内で生産されている。