SEAnews 1995-09-05 ArtNo.3022

【シンガポール】セスダック登録の電子会社アジアマトリクスがインドネシア・グループによる企業買収の新たな標的とされ、前者の2主要株主は先週末、総発行株式の54.84％に相当する1338万株を1株1.10Ｓドルで、ワラント8万8000枚を、1枚60セントで、それぞれ後者に売却することに応じた。
アジアマトリクスが3日発表したところによれば、同社のジョージ・ティア重役(MD)所有のCranduer Holdings Pte Ltd及びマレーシアのゲンティン・カジノ・オーナー、リム・ゴートン氏夫人(ﾘﾑ･ｼｭｰｷﾑ)所有の香港企業Henswin Ltdはそれぞれアジアマトリクス株898万株と440万株の売却に応じた。買い手は、スハルト大統領長子シギト・ハルヨユダント氏の夫人ラナワティ・シギト・ハルヨユダント女史に率いられるインドネシア投資家コンソーシアムで、同コンソーシアムには消費財関連企業ＰＴウングル・インダ・コープンのスザンナ・タノジョ副社長、バンデル・ホルストのフレディー・ヘン・キムチュアン重役(ED)が名を連ねている。9月2日に合意された取引は早急に実行に移され、ハルヨユダント夫人所有企業のＶａｓｉｄｏｎ社が公開買付を提案することになる。
一方、アジアメトリクスは今年1月にアリゾナ拠点のウィルモント・エンジニアリング・グループから240万米ドルで買収した子会社4社ウィルモント・アジアPte Ltd、ウィルモント・アジア(USA)インク、ウィルモント・アジア(ﾎﾝｺﾝ)Ltd、ウィルモント・アジア(ｲﾝﾀｰﾅｼｮﾅﾙ)LtdをCrandeurに400万Ｓドルで売却する。これら4社の6月末時点の純有形資産はマイナスで、アジアマトリクスの利益には貢献していない。アジアマトリクスは過去数年赤字経営を続けており、昨年も68％増の318万Ｓドルの損失を計上した。同社は以前トンハウ・インダストリーズと呼ばれていたが、93年にティア氏に買収された後、現在の社名に変更した。(ST,BT,LZ:9/4)