SEAnews 2002-11-29 ArtNo.30218

【ニューデリー】インド産業連盟(CII)と世界経済フォーラム(WEF)が共催するインド経済首脳会議(WEF-CII India Economic Summit)が11月25日開幕したが、過去18年来の慣例を破り、今年の開幕式には首相も大蔵大臣も出席しなかった。
エコノミック・タイムズが11月26日報じたところによると、最近の業界団体と政府間の論争を追う者は、今回の首相／蔵相のサミット欠席を、WEF-CIIと全国民主連盟(NDA:National Democratic Alliance)政府の関係悪化を物語る最新のエピソードと見ている。
インド人民党(BJP)のArun Jaitley幹事長は、「ＣＩＩやその他の商工会は経済界や産業界の意見を代表する重要な役割を担っている。しかし誇大妄想してはならない。彼らは産業の運営を委ねられているのであって政府ではない」と指摘した。一体、ＣＩＩは本当に誇大妄想に陥っているのか、あるいは政府／与党が過剰反応しているのか。
ＣＩＩのTarun Das事務局長(director general)は、「首相も大蔵大臣も欠席したため、ビジネスマンは気兼ねなく、その考えを主張できる」とコメント、平静を装ったが、インド政府は、Das氏のこうした発言もＣＩＩの傲慢さを示すものと見、一層感情を害したようだ。
某若手経済閣僚の1人は、「政府は譬え最も重要でないにしろ、ビジネスにとって重要なステークホルダーではあるはず」と述べ、首相／蔵相の欠席を意に介せぬＣＩＩの態度に遺憾の意を表明した。
別の某閣僚は、「サミットは問題を刺激することは避けるべきだ」とするとともに、「改革の加速や外国直接投資規制の緩和は、言い古されたことで、そんなことを知らないものはいない。首相は今さらそんなことを聞くために、忙しいスケジュールを割いて会議に出席する必要があるだろうか。WEF-CIIサミットはもはや時代から取り残され、重要性を喪失している」と指摘した。
これに対してDas氏は「WEF-CIIサミットの重要性が失われたと言うのは事実に反する。国際的な参加者の顔ぶれだけから言っても、WEF-CIIサミットの評価が高まっていることは明らか」と反論した。