SEAnews 1995-09-05 ArtNo.3021

【シンガポール】半導体及びその他の電子部品の域内におけるトップ流通会社を目指す地元企業シリアル・システムは、シンガポール証取(SES)への上場準備も進めている。
シンガポール高専卒のディリク・ゴー社長(33)が1988年に8年間務めた海軍を除隊してツー・マン・オーペレーションでスタートしたシリアルの従業員は今日45人に拡大、6月末締め営業額も前年度の5700万Ｓドルから1億2800万Ｓドルに倍増したものと見られている。シリアルはＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)、マルチメディア、ディスク・ドライブ、消費用電子製品、通信機器の5領域のセミコンダクターの流通を手掛け、顧客にはコンパック、アップル、シーゲート、コナー、アズテク、クリエイティブ・テクノロジー、トムソン、エプソンが名を連ねている。同社は最近チップ・デザイン・ビジネスにも乗りだし、去る7月にはテレフォニー及びマルチメディア・チップ“ハープーン”を発表した。新製品の初年度売上は100万Ｓドルと見込まれている。ゴー氏は総売り上げに占める域内売上のシェアを今日の35％から50％に拡大するとともに、向こう5～10年間に年商10億Ｓドルの達成を目指している。シリアルは現在台湾とタイに合弁会社、マレーシアに子会社を有し、韓国、中国、香港への進出の機会も探っている。シリアルは台湾のチップ・メーカー、ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コープ(UMC)製ＵＭＣ486チップを巡る特許権侵犯問題で、インテルから訴訟を起こされているが、ゴー氏はあまり頓着していない様子だ。(ST:9/4)