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2002-11-26 ArtNo.30204
◆鉄鋼産業の好調、今後も持続?
【ニューデリー】今年初以来の劇的な価格の回復により、インド鉄鋼業界各社は何れも今年上半期(2002/4-9)に業績の改善を見たが、熱間/冷間圧延コイル価格は今や下降局面を迎えており、鉄鋼業界の好況が今後も持続するか否かに注目が寄せられている。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが11月24日報じたところによると、現在の価格水準さえ維持されれば、Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)、Steel Authority of India Ltd(SAIL)、Essar Steel Ltd(ESL)等は、高い価格実現率と良好な手持ち受注から、下半期も好業績を実現できそうだ。
今年上半期の国内鉄鋼消費は8.8%の成長を見、昨年同期の6.6%の伸びを上回った。しかしインドの国民1人当たりの鉄鋼消費量は26kgと、世界平均の約122kgを大幅に下回っている。インドにおける2002-03年までの過去6年間の鉄鋼完成品消費の平均伸び率(CAGR:compounded annual growth rate)は3.1%(予想値)、同期の鉄鋼完成品生産のCAGRは3.7%だった。これは同期間の国際需要の伸び率5.5%や中国における需要の伸び率11.5%を下回っている。
国内鉄鋼産業の未来はまた、政府のインフラ事業支出と密接に関係している。黄金の四辺形ハイウェイ・プロジェクトの離陸、住宅開発活動の活発化、耐久消費財や乗用車販売の改善も鉄鋼産業の先行きを暗示しているが、こうした諸要因は経済全般のパフォーマンスに左右される。
今年上半期に、Tiscoのボトム・ラインはほとんど6倍にアップ、SAILとESLも30%以上損失を縮小した。Tisco等は、世界最低レベルの生産コストを梃子に輸出市場の一層の拡大を図るものと見られる。主要輸出市場が導入した輸入規制措置により、輸出環境はますます厳しいものになっているが、ある種の市場には高品質な製品に対する需要が依然存在し、先進諸国等における一部の不採算工場の閉鎖も、価格や品質面で競争力を有する製品の輸出機会を拡大するものと見られる。
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