SEAnews 2002-11-25 ArtNo.30195

【ニューデリー】カラー・テレビジョン(CTV)やオーディオ機器等、エンターテインメント・セグメント電子製品の値下がりは、過去数年も見られたが、今年は家電製品にも波及、取り分けエントリー・レベルの消費者用電子製品の価格は過去1年間に25％も値下がりした。
ビジネス・スタンダードが11月21日伝えたところによると、ロー・エンドの冷蔵庫価格は7％、電子レンジは20％以上、洗濯機は13％、エアコンは12％、それぞれ値下がりした。
消費者用電子／テレビジョン製造業者協会(CETMA:Consumer Electronics and Television Manufacturers Association)のRajeev Karwal会頭によると、同協会メンバーらは、取り分けバリュー・パッケージングを通じた値下げを行った。これはCETMAの5ポイント・アジェンダの1つでもある。その主旨は、政府の減税措置のみに依存せず、市場を拡張、規模の経済性を実現することにある。地元のトップ・ブランドは値下げを武器に農村や郊外地区への浸透を図った。こうした戦略は奏功し、過去1年間にエアコン市場は25％、ＣＴＶ市場は15％、冷蔵庫市場は10－12％、電子レンジ市場はは20％以上成長した。しかし洗濯機市場は横這いを続けている。
BPL LtdのAjit Nambiar会長兼ＭＤは、「ＣＴＶに関して言えば、2002年は消費者にとって豊作の年と言え、祝祭日シーズンの大幅値下げ後も、クリケット・ワールド・カップに向けた一層の値下げを期待できる」と指摘した。
今日エントリー・レベルの電子レンジ価格は昨年の7000ルピー(US$145)から5000ルピー(US$103)に下降した。Samsung IndiaのRavinder Zutshi副社長によると、こうした値下げの目的は、オーブン・トースターしか購入せぬ消費者にまで市場を拡大することにある。実際のところ少なからぬ消費者は電子レンジを再加熱だけに用いていると言う。
LG ElectronicsのSalil Kapoor氏によると、一昨年32％の成長を見たエアコン販売は昨年は8％にとどまり、大量の在庫を抱えたメーカーらは、大幅な値下げにより在庫の整理を図った。メーカーらは今年初には価格が持ち直すものと期待したが、期待は実現せず、競争過熱から一層の値下げが行われた。しかしこのことは市場拡大に役立っており、今年に入って以来市場は25％以上の成長を遂げ、一層の成長が見込まれると言う。
ＶＣＤプレーヤーには、最も急激な値下がりが生じたが、これは主に中国製や東南アジア製の低コスト製品が大量流入したことによる。この結果、トップ・プレーヤーはプレミアム・マーケットに集中、小規模プレーヤーは大量のエントリー・レベル顧客を獲得したと言う。