2002-11-22 ArtNo.30175
◆公共部門石油会社の年初7ヶ月の石油製品販売大幅に増加
【ムンバイ】公共部門石油会社の今年初7ヶ月の石油製品販売は、主に運輸部門の需要に支えられ大幅な増加を見た。
エコノミック・タイムズが11月19日報じたところによると、例えばLPGの販売は年初7ヶ月に10.4%、10月に限っては17%の成長を見た。潤滑油/グリースの年初7ヶ月の販売は22%増加した。潤滑油の販売は過去2年来低迷して来たが、乗用車やトラック用製品の需要拡大に支えられ、復調した。石油製品の中で最大のシェアを占めるディーゼル油の需要は、過去2年下降線を辿り、業界の懸念材料とされて来たが、今年初7ヶ月には2.6%、10月に限っては2.2%の増加を見た。
しかしディーゼル油のバルク販売(ディーゼル油販売全体の30%)の主要顧客、鉄道と州営交通機関の需要には顕著な回復の兆しは見られない。今年初7ヶ月のバルク・ディーゼル油販売は5.3%、今年10月に限っては9%の落ち込みが見られた。
燃料油のバルク販売も依然懸念材料で、今年初7ヶ月のナフサのバルク販売は約12%の落ち込みを見た。Indian Oil Corporation(IOC)、Bharat Petroleum Corporation Ltd(BPCL)、Hindustan Petroleum Corporation Ltd(HPCL)等は、国内販売の落ち込みに対処するため沿岸製油所からのナフサ輸出の拡大を強いられた。
ナフサ需要の落ち込みは、大口ユーザーのIndian Petrochemicals Corporation(IPCL)、National Organic Chemical Industries Ltd (Nocil)、Dabhol Power Company (DPC)が、国営石油会社の視界から消えたことが上げられる。
IOCの主要顧客だったIPCLはReliance Industries Ltd(RIL)に買収され、今ではRILからナフサを購入している。
Arvind Mafatlalグループがマハラシュトラ州Thaneに設けたNOCILは、BPCLから2万5000トンのナフサを購入して来たが、操業を停止した。
マハラシュトラ州電力局の支払い不能に続き、米国のエネルギー・メジャー、エンロンの倒産劇に巻き込まれたDPCはさておき、他の電力会社も今ではナフサからガスに燃料の転換を図っている。
今年初7ヶ月の燃料油(furnace oil)の販売も昨年同期比4%の下降を見た。これはRILが最近発売した格安のMVFO(medium viscosity fuel oil)に顧客を奪われたことが原因している。またRILは農業部門向けにディーゼル油とほぼ同質のSuper LDOを、国営石油のディーゼル油よりも1リッター当たり4ルピー低い値で売り出した。
アナリストは、今年上半期に好業績を実現した公共部門石油会社の先行きに楽観的見通しを抱いている。国内経済キー・セクターの石油製品需要は徐々に拡大している。インドの国内総生産(GDP)は今年第1四半期に6%を越える成長を遂げ、工業部門の成長も堅調を維持している。アナリストらは、「石油製品の需要とGDPの成長には明らかに相関関係が存在する」としている。
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