【ニューデリー】インド政府はProagro Seed Company Ltd(PSCL)の遺伝子組み換え(GM)マスタード・ハイブリッドの商業栽培申請に対する方針決定を見送った。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダード、インディアン・エクスプレス、エコノミック・タイムズが11月8日報じたところによると、環境森林省に属する遺伝子工学認証委員会(GEAC:Genetic Engineering Approval Committee)のA.M Gokhale議長は「我々は3、4週間以内に再度会合し、最終方針を決める」と語った。同氏によると、GMマースタード・ハイブリッドの生物学的安全性や農業経営学的評価には、様々な解釈が存在する。Proagro及びGEACが行った試験結果に関しても解釈に相違が存在する。このため全体像をより明確にする必要があり、一層の検討を施す方針を決めた。GMマスタードはGM綿とは異なり食用に供され、また実だけでなく葉もsarson-ka-saag(カレー材料)や他の伝統的調味料に用いられることから、より厳しい点検が必要とされると言う。
Proagroは3種類のマスタード・ハイブリッド-MT 95002/MT 95003/MT 95005-の許可を求めており、「これらの品種は、ICARが開発した現在最も収穫率が高いとされる“Varuna”や“Kranti”等の“check”品種を30%上回る1ha当たり約300キロの収穫が可能」としている。Proagroは2001年8月にGMマスタードの大規模な試験栽培を許可するようGEACに申請していた。しかし今回の許可延期により、現在のラビ(rabi:春先収穫作物)シーズンに農民がGMマスタードを播種することは不可能になった。
GEAC会長により招集されたこの日の会議には農業省、保健省、インド農業研究委員会(ICAR:Indian Council of Agricultural Research)、インド医学研究評議会(ICMR:Indian Council of Medical Research)の幹部らが出席したが、GM作物の商業認可に関わる商工省と外務省の代表は欠席した。