2002-11-05 ArtNo.30071
◆三井/オマーン、SCIのLNG輸送合弁事業持ち分買取り提案
【ニューデリー】商船三井とオマーン政府は、国営Shipping Corporation of India (SCI)から液化天然ガス(LNG)輸送合弁会社Greenfield Shipping Company(GSC)の20%持ち分を買い取ることを提案した。これによりインド海運会社のLNG輸送ビジネス進出計画は失敗に終わるが、SCIの政府持ち分買収を目指す潜在的バイヤーは歓呼する見通しだ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが11月2日消息筋の言を引用し伝えたところによると、もし同提案がGSCおよびインド政府により承認されるなら、SCIは経営危機に直面するGSCに新たに3300万米ドルの資金を注入する義務から解放される。
商船三井とオマーン政府は、SCIが1999年に投資した1100万米ドルと約9%の利子を支払い、SCIの20%の持ち分を買い取ることを認めた。
商船三井とオマーン政府の提案は、10月25日に催されたSCI取締役会の席で討議されたが、取締役会メンバー間の意見の不一致から方針の決定は見送られた。SCI取締役会が同提案を承認したなら、海運省が最終決定を下すことになる。
破産した米国のエネルギー会社Enron Corporationがプロモーターを務めていたマハラシュトラ州Dabholの発電事業に、オマーンからLNGを輸送するために設立されたケイマン諸島をベースにするGSCは、積載能力13万7000立米のLNGタンカー“LNG Laxmi(建造コストUS$2.225億)”を所有・経営している。
エンロンの経営破綻後、GSCの株主構成も変化した。エンロン傘下のAtlantic Commercial Incと商船三井は、GSCの各20%持ち分をオマーン政府に売却、同政府は現在GSCの40%のシェアを保持している。これに対して商船三井の持ち分は当初の60%から40%に縮小、残りの20%をSCIが保持している。GSCを巡る危機的状況は、民営化の過程にあるSCIの評価に深刻な影響を及ぼす。このためSCIがGSCおよびPetronet LNG双方のLNG輸送事業から手を引くことは、SCIの51%権益買収レースのリストに依然としてとどまっている地元海運会社2社Great Eastern Shipping Company LtdとEssar Shipping Ltdを喜ばせる見通しだ。
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