2002-10-24 ArtNo.29995
◆カプロラクタム/LABメーカー、ベンゼンの急騰で打撃
【アーマダバード】カプロラクタム及び直鎖アルキルベンゼン(LAB:linear alkyl benzene)の原料ベンゼンの価格が過去9ヶ月間に100%ジャンプ、カプロラクタムとLABの製造を手がけるReliance Industries Ltd(RIL)/Nirma/Indian Petrochemicals Limited (IPCL)/Gujarat State Fertiliser & Chemicals(GSFC)は不安な状況に置かれている。
エコノミック・タイムズが10月22日伝えたところによると、2002年2-10月の間にベンゼンのトン当たり価格は1万2000ルピーから2万2000ルピーにほとんど2倍にジャンプ、国内最大のカプロラクタム製造会社GSFCのマージンの50%が消失した。RILとIPCL及びNirmaはこうした値上がりを吸収しているものの、業界観測筋は、これら3社が果たしていつまでこうした状況に耐えられるか、測りかねている。
GSFCのBalwant Singh重役(MD)は、「カプロラクタムの国際価格は急騰しており、今年は依然としてプラス成長が可能」と楽観的見通しを語った。しかしカプロラクタムは、ベンゼンほど値上がりしていない。カプロラクタムは2001-02年に750米ドルの底値に達した後、今会計年度は回復に転じ、今では1100米ドルを越えている。しかしベンゼンの前例のない高騰で、カプロラクタムのトン当たり製造コストは200米ドル・アップ、マージンの50%が消失した。アナリストはこうしたベンゼン高騰の原因として、国際原油価格の持続的上昇を挙げている。
Singh氏によると、米国の主要なベンゼン製造会社2社がメンテナンスのため操業を停止したことも値上がりに拍車をかけている。
インドではベンゼンの80%がLABの製造に、残りの20%がカプロラクタムの製造に用いられているが、LAB価格は2002年9月までの8ヶ月間トン当たり5万2000ルピーのレベルにとどまっており、IPCL幹部もLABをさしあたって値上げする計画はないと語った。
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