【ニューデリー】電炉による鉄鋼生産の原料とされる海綿鉄の価格は、現在トン当たり5700ルピーだが、生産コストの上昇に伴い向こう数年値上がりするものと予想されている。
ビジネス・スタンダードが10月17日報じたところによると、海綿鉄製造業者協会(SIMA)のS S Bhatnagar理事は同紙に以上の見通しを語った。生産コストの上昇は窯の生産効率が15%ほど低下するため。海綿鉄業界は目下、Bグレードの石炭を使用しているが、この種の石炭の埋蔵量が枯渇しつつあり、C、D、Eグレードの露天掘り石炭に転換せねばならない。しかし低品質の石炭の使用は、海綿鉄の品質にも影響を及ぼす。
インドの海綿鉄産業は世界第2位の規模を有し、2001年には566万トンを生産した。同年の世界生産量は4051万トンと見積もられる。インド鉄鋼産業は2001年には熔解用スクラップ200万トンも輸入している。2002-03年の海綿鉄生産量は前年比10%増加する見通しだ。これは50~60ユニットの小規模な海綿鉄工場が操業を開始する見通しのため。SIMAは政府に対し、石炭産業の民営化を加速し、石炭の輸入関税を現在の25%から5%に引き下げるよう求めていると言う。