SEAnews 2002-10-15 ArtNo.29942

【ムンバイ】インドの鉄鋼総需要は今会計年度、世界的な5％の伸びを遙かに上回る11％の成長を遂げる見通しだ。
ビジネス・スタンダードが10月11日、Fitch Ratings (India)の最新レポートを引用し報じたところによると、総需要の伸びは鋼板に対する輸出需要の伸びに牽引されるものと見られる。年間2000万トンの鉄鋼製品を輸入する中国が、主要市場として浮上した他、米国や欧州等、その他の市場への輸出も拡大、ボトムラインの顕著な改善が見込まれる。
経済協力開発機構(OECD)諸国が1億2500万トン相当の不採算製造設備を閉鎖する方針を決めたことも、インド鉄鋼産業にとってポジティブなサインと言える。
世界の鉄鋼生産は2001年を通じ8億3500万トンを記録したが、消費は7億2100万トンにとどまった。この内インドにおける鉄鋼完成品の生産は2950万トンと、世界生産の3.2％を占めた。インドにおける2001－02年度の鉄鋼完成品(finished steel)の生産は2.5％の成長を見、インドは同年また300万トンを輸出し、138万トンを輸入した。
今年は道路プロジェクトの他、耐久消費財部門や自動車産業も需要の伸びに寄与する見通しだ。
世界の人口1人当たりの平均鉄鋼消費量が121キロであるのに対し、インドの1人当たりの消費量は26.7キロに過ぎない。このため今後の成長の潜在性は極めて大きいと言う。
しかし、一部のアナリストは今年のインドの総需要の伸びが昨年8％から、8－10％に加速するに過ぎないと見ている。