【ムンバイ】インドの鉄鋼メジャー、取り分けSteel Authority of India Ltd (SAIL)/Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)/Vizag Steel Plant (VSP)の製品在庫が過去2ヶ月増勢に転じている。
ビジネス・スタンダードが9月5日、オフィシャル・データを引用し伝えたところによると、今年7月末時点の在庫量は89万3000トンと、7月初の83万トンから顕著な増加を見た。SAILの在庫は同期間に37万5000トンから41万トンに、Tiscoは15万6000トンから18万5000トンに、VSPは28万トンから28万9000トンに、それぞれ拡大した。
鉄鋼会社筋は、在庫の増加は季節的な需要減退に伴うものとしているが、観測筋は「同期間に輸入は14.6%増加しており、冷間圧延亜鉛鍍金鋼メーカーが、国内原料の高騰から輸入を拡大したことが、在庫の増加につながった可能性がある」とコメントした。
しかしオフィシャル・ソースは、「周期的な鉄鋼価格の引き上げがストップ、これに伴い鉄鋼消費業界も買い溜め行為を停止したことが鉄鋼会社の製品在庫の増加につながった可能性も有る」と指摘した。
鉄鋼省傘下のJoint Plant CommitteeメンバーのA S Firoz主任エコノミストは、「現在の情況は、単純なロジスティクス問題が原因の可能性もあり、何ら警戒する必要はない」とする一方、「向こう数カ月の推移を注視する必要がある。もし在庫が持続的に増加するなら国内価格に影響を及ぼす可能性がある」と補足した。
またSAIL筋は、「国内消費は顕著な拡大を見ているが、生産の成長が消費の伸びを上回っており、トン当たり国際価格も約10米ドル軟化した。国際市場には設備過剰が生じている」と指摘した。