2002-09-05 ArtNo.29639
◆Emcure、近く高血圧治療薬キラル・バージョン発売
【プネー】キラル薬品形質転換市場(chiral drug transformation market)に照準を合わせる地場製薬会社Emcure Pharmaceuticals Ltd(EPL)は2日、高血圧の治療効果を有するキラル分子種“Sアムロジピン(S-Amlodipine)”をお披露目した。
エコノミック・タイムズが9月3日報じたところによると、“Asomex”商標で発売される同分子種は、既存の高血圧治療薬アムロジピンのキラル・バージョン(異性体)。アムロジピンは、非活性ラセミ化合物(R)と活性(S)異性体として存在する。キラル(光学活性体)は、それ自身の鏡像の上に重ね合わせることができない分子で、異性体として共存できるが、片方のみが活性を保持する。単一異性体薬品(chirally pure drug)は投与量を少なくすることができ、副作用も少ない。キラル薬品の世界市場は1300億米ドルの規模を有するとされる。
アムロジピン異性体はNational Chemical Laboratory (NCL)により隔離培養されたもので、EPLにライセンスが付与された。EPLは商業化した後、その販売額の一定比率をNCLにロイヤルティーとして支払う。NCLの科学者は、ベシル酸Sアムロジピン(S-Amlodipine Besilate)の純粋培養プロセスを開発したが、EPLは商業的量産化を図る。
EPLのSatish Mehta重役(MD)によると、同社は引き続きNCLと協力し、市場に出回る他の薬品のキラル・バージョンの開発を目指す。アレルギーや呼吸器障害の治療薬5種類を既にリストアップしており、NCLにその基礎研究を委ねる。
EPLはインド薬品監督総監(DCGI:Drug Controller General of India)からSアムロジピンのバルク/製剤双方の認可を取得している。キラル・バージョンは投与量を少なくできるため、オリジナル薬品が5mgであるのに対し、Asomexは2.5mg錠剤として発売される。また10錠当たりの価格も19ルピーと、オリジナル薬品の25ルピーを下回る。
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