SEAnews 1995-08-31 ArtNo.2963

【シンガポール】先進国に追いつき追い越せとの政府の呼びかけに応じ、研究開発(R&D)活動を強化してきたシンガポール国立大学(NUS)は、既に一定の成果を上げている。
ＮＵＳのリム・ピン副総長が29日に催されたＮＵＳの年次大会後、ＳＴ紙に語ったところによれば、ＮＵＳが開発した集積回路(IC)の欠陥追跡技術は米国を除けば、世界初のもので、米国を含めても5位にランクされる。ＮＵＳは同システムを1台23万米ドルで、向こう2年間に約50台販売する計画だ。またこれとは別にスキャニング・エレクトロン・マイクロスコープを装備したＩＣ欠陥摘出装置の市場開拓を目指して企業7社を設立、既に400万米ドルの売上を達成している。ＮＵＳに勤務する300人以上のＲ＆Ｄスタッフの多くは大学や米国企業で活躍していたインド及び中国籍の専門家で占められている。
一方、リー・ヨックスワン教育相は会議後の記者会見の席上、ＮＵＳ及び南洋理工大学(NTU)は有る種の領域のＲ＆Ｄ活動、例えば分子細胞学の領域では既に世界的な名声を確立していると語った。経済開発局(EDB)副会長も務めるリム副総長はまた、ＮＵＳのＲ＆Ｄ活動は今後多国籍企業がシンガポールにその根を下ろす理由の1つになるだろうと指摘した。(ST:8/30)