2002-09-03 ArtNo.29620
◆National Fertiliser民営化の実現遠のく?
【ニューデリー】政府持分処分閣僚委員会(CCD:Cabinet Committee on Disinvestment)は、政府が長期肥料政策を発表した後に初めてNational Fertiliser Ltd(NFL)を民営化することを認めた。
エコノミック・タイムズが9月2日、政府持分処分省筋の言として報じたところによると、同省のPradip Baijal次官は、NFL民営化の加速を図って来たが、今や長期肥料政策を巡るより大きな論争が予想され、NFL政府持分の戦略的売却は一層遠のいた。
関係問題を担当する閣僚グループ(GOM:group of ministers)は、これ以前に第7/8次尿素価格設定期限を2002年7月に延長したものの、長期肥料政策を巡るより複雑な問題はまだ取り上げられていない。
専門家筋によると、長期肥料政策立案の第1のステップとして、政府は支出再編委員会(ERC:Expenditure Reforms Commission)の報告を処理せねばならない。長期肥料政策を巡る閣僚グループ裁定のキーポイントは、肥料会社に対する補助決定のメカニズム、“グループ・ベースのコンセション・システム(concession system)”採用の可否を判定することである。ERCは肥料会社への補助を、農民に対する直接補助に転換するまでの過渡期の暫定措置として、既存のユニット・ベースの留保価格システム(Retention Pricing System)をグループ・ベースのコンセション・システムに転換するよう提案した。
これに対して肥料会社は当然のこととして、「政府補助の対象を肥料会社から農民に転換する際には、肥料価格制度も同時に撤廃せねばならない。さもなければ、肥料会社の経営は深刻な影響を受ける」と主張している。
こうした複雑で、多面的な性格を有する問題の性質上、関係閣僚グループは、長期肥料政策に対する方針をまだ決定していない。
政府持分処分局(DOD:Department of Disinvestment)は、政府持分処分の方針決定に対する影響を配慮し、長期肥料政策の完成に先立って民営化を実行に移すようロビー活動を開始したが、SS Dhindsa肥料相は先週催された公開フォーラムの席上、NFLの民営化に反対する立場を改めて表明、DODの動きを牽制した。Dhindsa肥料相は会議の席上、「NFLは農民に必要不可欠なサービスを提供する使命を負うており、民営化の対象にされるべきではない」と強調した。
政府持分処分閣僚委員会は2000年2月にNFLの51%の持分とともに経営権を戦略パートナーに与えることを承認した。NFLの51%の政府持分の価格は800クロー(US$1.63億)前後と評価されており、Chambal Fertilisers、Deepak Fertilisers、Tata Chemicals、Gulf Fertilisers、Oswal group等が関心を見せている。DODは今年7月に潜在的戦略パートナーに入札意向書(EOI:expression of interest)の提出を求めるはずだったが、結局見送られた。
いずれにしても政府持分処分閣僚委員会が長期肥料政策の完成後に初めてNFLの民営化を認める方針を決めたことから、Dhindsa肥料相は、長期肥料政策の立案を遅らせさえすれば、NFL民営化を阻止できることになった。
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