1995-08-31 ArtNo.2962
◆<星>クアルコム、営業事務所開設、テレコムVSATの強敵に?
【シンガポール】米国クアルコム・インクは企業内通信に使用する小型衛星地上アンテナ“VSAT(ベリー・スモール・アパーチャー・ターミナルズ)”の改良型“USAT(ウルトラ・スモール・アパーチャー・ターミナルズ)”を携えて来月(9月)シンガポールにセールス事務所を開設する。
既に当地域の70数社とVSAT契約を結んでいるシンガポール・テレコム及び香港のパシフィック・センチュリー・コーポレート・アクセスにとって手ごわいライバルになるものと見られる。クアルコムのT.デグナン副社長(セールス担当)によると、VSATの平均価格が1万~1万2000米ドルであるのに対しUSATは3500米ドル、サイズはVSATが直径1.2~1.8メートルであるのに対してUSATは0.6メートル、通信時の消費電力もVSATが2000ワットであるのに対してUSATは30ワットで、通信範囲は双方ともほぼ同じ。同社はアジアの複数のVSAT関連会社にUSATの売り込みを図っていると言う。パシフィック・センチュリーのA.タッカー副社長は、クアルコムから接触があったことは認めたが、クアルコム製品は周波数が異なるため具体的な進展はなかったとしている。クアルコムはまだテレコムとは接触していないようだ。デグナン副社長は、USATをユーザーに直接販売することによりテレコムを含む他社と競争することも可能だし、これらの企業を販売代理に指名することも可能だとしている。(ST:8/30)
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