2002-09-02 ArtNo.29618
◆知識産業、国際ブランド創造のための投資を準備:Nasscom
【ニューデリー】インドの知識産業は、国際ブランドの創造に多額の投資を行う準備を整えつつある。ソフトウェア・サービス会社全国協会(NASSCOM:National Association of Software and Service Companies)のKiran Karnik会頭はこのほど以上の見通しを語った。
エコノミック・タイムズが8月30日伝えたところによると、Karnik会頭は同紙のインタビューに対して以上の見通しを語った。それによると、Nasscomは、傑出したアイデアをビジネスや商品、パテントとして具現させるインキューベーター・センターの創設を計画、また時代のニーズを満たす知識を醸成する環境の整備に強い関心を寄せている。こうした点では大学や関係省庁と協力する用意がある。
目下のところM Tech(Master of technology)コースを専攻するより、2年間実地の職業経験を積んだ方がましと言う観念が支配的だが、より多くの者が本物の知識を創造できるよう方程式の転換を図っている。
『インドには何故プロダクツやブランドが存在しないのか。1000シートの電話交換スウェットショップを設けるよりましではないのか?』
両者は相互に否定し合う排他的な観念と言う訳ではなく、例えば文化系学士コースを専攻した人材が豊富なら、コール・センターはこれらのものに大きな機会を提供するだろう。
『そのような機会を放棄しないで、より高い付加価値を創造できるのか?最大の価値はブランドにあるのではないのか?』
ブランドの創造には多額の投資を必要とする。インドの知識産業に関して言えば、まさにそのような投資を行う時期にさしかかったと言える。例えば銀行産業への情報技術(IT)の応用面では、複数のインド企業がグローバル・ブランドを創造している。しかしウィンドウズのようなコンシュマー・ブランド領域に関して言えば、譬え5年後にしろインド企業がさしたる成果を上げられるとは思わない。先ず持てるものをベースにビジネス・ワールドの認知が得られるようなブランドを創造し、それを足場に一層の高みを目指すべきである。
『地元企業はコール・センター、BPO、バイオテクノロジー等の専門用語に目を奪われ、この種のサービスや技術の導入を競い合っているが、インド企業は一体何に照準を合わせ、何をセールス・ポイントにすべきなのか?』
確かにインド企業が長け、照準を合わせるべき領域が存在する。組み込みソフトウェアはその一つで、また最近スタートしたばかりのチップ・デザインはこれに次ぐものと思う。第3はバイオインフォマティクスだろう。インドは長期にわたり生物学や生物工学領域の大学や研究室の創設に努めて来た。Karnik会頭によると、こうした蓄積とITを結びつけるなら、大きな機会が生じるはずと言う。
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