SEAnews 1995-08-31 ArtNo.2959

【シンガポール】シンガポール政府は29日、明年半ばから新住宅政策に基づくエグゼクティブ・コンドミニアムの開発をスタートすると発表したが、アナリストは民間住宅市場への影響は僅かと見ている。
リム・ヘンキアン国家開発相がこの日発表したところによれば、政府は明年この種のコンドミニアム2000戸の開発に着手する計画で、パシルリス・ドライブ3とジュロン・イースト・ストリート13に建設される第1陣の550戸の開発は政府系デベロッパーのピデムコ・ランドに委ねられる。99年初に完成予定のコンドミニアム1ユニットの面積は100～120平米、平米当たり価格は5000～5500Ｓドルで、ユニット価格は50万～66万Ｓドルとなる。同価格は民間コンドミニアムの市価を20％ほど下回っている。また初めて政府住宅の購入を申請する者には中央積立基金(CPF)から4万Ｓドルの住宅購入補助が提供される。しかし政府はそれ以上の融資便宜は提供しない。とは言えエグゼクティブ・コンドミニアムの申請者は、民間コンドミニアム購入者に比べ10万Ｓドル以上負担が軽減されるため、若手専門職でも手が届く範囲と言える。しかしこの種のコンドミニアムの購入を申請できるのは世帯収入月額1万Ｓドル以下のシンガポール公民権所持者に限られ、しかも初年度に売り出される2000ユニットの80％は、既存の政府エグゼクティブ・フラット購入申請者に優先的に割り当てられる。このため業界筋は、新スキームが99年借地権付き民間住宅市場のバイヤーを大量に吸い上げることはないと見ている。(ST,BT,LZ:8/30)