2002-08-26 ArtNo.29559
◆US$4.8億Bokaro 近代化は浪費:CAGレポート
【コルカタ】国営Steel Authority of India Ltd (SAIL)は傘下のBokaro Steel plant (BSL)に2346.45クロー(US$4.79億)を投じ近代化工事を施したものの、近代化の目標達成はおろか、財政基盤の改善も図られなかった。
ビジネス・スタンダードが8月23日伝えたところによると、インド会計検査院長官(CAG:Comptroller and Auditor General of India)は、そのレポートの中で以上のように結論している。同報告書によると、インド経済が1991-92年に自由化されたことに伴う鉄鋼部門の劇的な変化からBSLの第1期近代化プログラムはさしたる利益をもたらさなかった。
政府が1993年7月に当該プログラムを認可した際想定したものとは裏腹に、国内における鋼板供給の過剰から過去8年間のBSLの純売上は下降の一途を辿った。熱間圧延(HR)コイルの国際価格の軟化と一部の国の輸入規制が情況を一層悪化させた。
近代化政策の立案に大きな労力と時間を割いたにも関わらず、SAILは将来予想される競争等、重要な課題を配慮しなかったばかりでなく、計画を分析する際、製品は天性の市場性を備えていると判断、100%の設備稼働率と100%の売上実現を当然のことと考えた。その結果、外国製造業者がインド市場に殺到、高品質な製品を低価格でダンピングした際、BSLは選択の余地なく、第5高炉とコークス炉2基の稼働を停止した。加えて民間部門の市場参入により国内に鋼板製造能力の過剰が生じたことから、売上実現率(sale realisation)は下降した。
1987年に構想された近代化計画には、中流部門の全ての施設が包含されていたが、計画は完全に実行されず、期待された効果や利益は生じなかった。
SAIL取締役会は1990年に、2段階から成る総額1600クロー(US$3.26億)の近代化計画を承認したものの、CAGが今回の報告を準備した際には、第1期プロジェクトも完成していなかったと言う。
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