【ニューデリー】インドの冷間圧延(CR)鋼業界は、今年6月と7月には、今年5月までの月間平均3万トンを大幅に上回る月間約10万トンの熱間圧延コイル(HRC)を輸入した。
ビジネス・スタンダードが8月17日、冷間圧延鋼製造業者協会(CRSMA:Cold Rolled Steel Manufacturers' Association)のS C Mathur常務理事(ED)らの言を引用し報じたところによると、輸入量の拡大は国内市場におけるHRC供給の深刻な逼迫に伴うもの。HRCの国内における年間生産量は目下約770万トンであるのに対して、国内需要は約750万トンと見積もられる。しかしHRC業界は約150万トンを輸出しており、この点を配慮すれば、国内には約150万トンの供給不足が生じる計算になる。
Steel Authority of India Ltd (SAIL)は約210万トン、Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は約170万トン、Essar Steel Ltd(ESL)は約140万トン、Jindal Vijayanagar Steel Ltd(JVSL)は約120万トン、Ispat Industries Ltd(IIL)は約120万トンのHRCをそれぞれ生産している。向こう数年HRCの国内製造能力が拡大する見通しはないが、需要は向こう2年間に年間1000万トン以上に拡大する見通しだ。こうした中でHRCの輸入量はこれまでの年間60万トンから120万トンに拡大するものと見積もられると言う。