SEAnews 2002-08-12 ArtNo.29464

【バンガロール】インドの組み込みソフトウェア(embedded software)産業は、世界的にテクノロジー産業がスローダウンした昨年も30～35％の成長を実現した。
インディアン・エクスプレスが8月7日報じたところによると、世界の組み込みソフトウェア産業は、一部の地域ではマイナス成長に陥り、別の地域では横這いにとどまったが、インドでは対照的な好成長が記録された。
組み込みソフトウェア産業向け工具の製造で世界のトップ・クラスにランクされるWindRiver Systems Indiaのカントリー・マネージャー、Ajit Edlabadkar氏によると、こうしたインド組み込みソフトウェア産業の動向は、他のソフトウェア産業のそれと軌を一にしている。多国籍企業はインドに拠点を移すことによりコスト削減を図っている。インドの組み込みソフトウェア産業は後発だが、そのこともかえって有利に作用した。とは言え今年の成長率は20～25％に鈍化する見通しだ。
インド・ソフトウェア会社は今後も引き続きテレコム・プロジェクトを手に入れることができるものと見られる。テレコム産業は組み込みソフトウェアの主要な消費部門で、その伸び率は鈍化するものの、これはテレコム産業が直面する世界的な動向を反映したもので、パニックに陥る必要はない。
米国拠点の市場調査会社Venture Development Corporation (VDC)によると、アジア太平洋地域の組み込みソフトウェア／オペレーティング・システム／ツール／関係サービスの出荷量は2000－05年の間に年率22.5％(CAGR:compounded annual growth rate)の成長が見込まれる。同成長率は世界平均の18.7％を上回っている。
インドのソフトウェア会社は主にテレコム／国防・航空／消費者用電子／産業自動化／自動車の5部門の組み込みソフトウェア需要に応じている。WindRiverのインドにおける顧客の大部分もこれら5領域に属しており、国防＆航空部門が最大シェアを占めている。国防＆航空部門は景気変動の影響をあまり受けない安定成長領域と言う。