2002-08-12 ArtNo.29453
◆三菱化学、ハルディアPTAプラントの製造能力アップ
【ハルディア】三菱化学が主要プロモーターを務めるMCC PTA India (MCPI)は、西ベンガル州Haldiaに設けた高純度テレフタル酸(PTA)プラントの年産能力を35万トンから42万5000トンに7万5000トン拡張する。
ビジネス・スタンダードとインディアン・エクスプレスが8月7日、MCPIのフクモト・タケハル重役(MD)/ゴーダ・ショータロー取締役(マーケッティング)/Y.ウメハ財務担当取締役/D P Ghosh取締役の言を引用し報じたところによると、製造能力の拡張はデボトルネッキングを通じて行われ、投資額は200万米ドルと見積もられる。今月末に保守のため操業を停止する際、エア・コンプレッサーに補強工事を施す。これにより9月以降プラントの製造能力は拡大される。
目下稼働率は100%以上で、製品の25%は中国、オーストラリア、その他の国に輸出されている。国内ではRelianceが唯一の競争者で、市場シェアは、デボトルネッキング後、現在の25%から30%に拡大する。
昨年(2001/1-12)の営業額は998クロー(US$2.04億)、今年は1100クロー(US$2.24億)が見込まれる。
世界的なPTAの過剰供給に伴う低マージンから、2000年4月の商業生産開始以来、赤字経営が続いている。しかし国際価格が底入れしたことから今年は採算ラインが見込める。PTAは、PSF(polyester staple fibres)、PFY(polyester filament yarns)、PET(polyethylene terephthalate)、ポリエステル・フィルム等、ポリエステル製品の主要原料だが、ポリエステル需要は中期的に軟調が続く見通しだ。インドのPTA市場は今年10%の成長が見込めるが、2003年の需要は鈍いものと見られる。世界人口の17%を占めるインドの年間ポリエステル需要は200万トンに過ぎず、成長の潜在性は大きい。インドでは2003-06年の間にPTAの新たな製造能力が追加されることはないものと予想される。
PTAの製造ではBritish Petroleumに次ぎ、世界第2位につけている三菱化学は独自の技術を用いているため、国際市場では優位に立っており、同技術に一層磨きをかけている。加えて世界最大のバイヤーとしての強みを生かし、原料のパラキシレンを低価格で調達している。
三菱化学が66%、三菱商事が9%、日商岩井が8%、トーメンが5%、丸紅が5%、住金物産が2%、西ベンガル開発公社(WBIDC:West Bengal Industrial Development Corp)が5%を出資するMCPIの払込資本は613クロー(US$1.25億)で、これまでに1475クロー(US$3.01億)が投資された。インドの国内需要が拡大すれば、MCPIは第2プラントを設ける用意が有り、既に関係用地と基礎インフラの準備もできていると言う。
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