2002-08-01 ArtNo.29394
◆大蔵省、金融機関に鉄鋼会社の資金濫用に関する資料提供指示
【ニューデリー】大蔵・法人事務省(the finance and company affairs ministry)は、鉄鋼会社のプロモーターによる資金の濫用・流用に関する情報を提供するよう金融機関に指示した。
ビジネス・スタンダードが7月30日金融機関筋の消息として報じたところによると、大蔵省はIndustrial Development Bank of India(IDBI)に対し、1999年に行った6件の鉄鋼プロジェクトに対する1080クローの追加融資認可に関する詳細な資料を提供するよう求めた。これら6件のプロジェクトにはEssar Steel、Ispat Industries、Ispat Metallics、SJK Steel Corporation、Jindal Vijayanagar Steel、Usha Ispatが関係している。
鉄鋼部門は、国内金融機関の不良債権(NPA:non-performing asset)リストの筆頭に掲げられ、2001年3月末時点の不良貸付(bad loan)額は2万クロー(US$41億)、この内金融機関4行-IDBI/Industrial Credit and Investment Corporation of India(ICICI)/Industrial Finance Corporation of India (IFCI)/Industrial Investment Bank of India(IIBI)-に関わるものが1万9000クロー、IFCIだけで全体の20%を占めた。鉄鋼部門はまた、金融機関4行にとって繊維/人造繊維部門に次ぐ第2のエクスポージャー部門で、2002年3月末現在、鉄鋼部門に対するエクスポージャーは2万1000クロー(US$42.83億)以上と、ポートフォリオ全体の13%を占めている。
大蔵省筋によると、金融機関は既に報告書を提出し始めており、大蔵省は数日中にこれらの報告に対する綿密な調査を開始する。
その実、大蔵省の銀行部門は昨年、一部の鉄鋼会社による資金濫用を調査したが、違法行為を行ったプロモーターに対して如何なる措置もとらなかった。
IFCI取締役会は先週金曜の会議でUsha Ispatに対する貸付の最終用途を調査することを決めた。Malvika Steelに関してはIFCI取締役会は証券化法令を運用し、受け戻し権を停止、資産を差し押さえるとともに会社の経営権を掌握することを決めた。
1999年に鉄鋼業界に対する追加融資を認めたのは、小委員会の勧告に基づくもので、同委員会のメンバーには、IDBIのGP Gupta当時会長兼MD/インド産業連盟(CII)のTarun Das事務局長/State Bank of IndiaのDipankar Basu元会長/著名な公認会計士Beasant Raj氏が名を連ねている。同小委員会は、一部の鉄鋼会社に対し依怙贔屓を行ったとの批判を受けYashwant Sinha当時蔵相の顧問Mohan Guruswamy氏が辞職した後、融資申請を行った全ての鉄鋼プロジェクトを点検するため設置されたもの。
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