【ムンバイ】今会計年度第1四半期に純益を計上した数少ない地場鉄鋼会社に数えられるJindal Iron and Steel Company Ltd (Jisco)は、8月の第1週に熱間圧延(HR)プレートの生産を再開する見通しだ。
インディアン・エクスプレスが7月29日報じたところによると、Jiscoは年間2万5000トンのHRプレート製造能力を有するが、1年ほど前にHRプレートのトン当たり価格が1万2000ルピーを割り込んだ際、採算が見込めなくなったとしてその製造を停止した経緯がある。JiscoはOEM製造業者や鉄道、その他の重工業会社から注文が得られると見ており、HRプレート売上は50クロー(US$1020万)に達する見通しだ。
消息筋によると、JiscoがHRプレートの生産再開を思い立った理由としては、価格の急騰とともに、同社がハイグレードのプレミアムHRプレートを製造する能力を有することが挙げられる。例えば152mm以上のHRプレートを製造できるのはインド国内では、Steel Authority of India Ltd (SAIL)と同社のみである。同社はグジャラート州、マハラシュトラ州、アンドラプラデシュ州にHRプレートの販路を確保しており、トン当たり1万8000~1万9000ルピーの価格が見込める。
一方、インド最大の亜鉛メッキ平板/波板(GP/GC:galvanised plain sheet/ galvanised corrugated sheet)の輸出業者として知られるJiscoは、今年6月期4半期に9.70クロー(US$198万)の純益を計上、黒字転換を達成した。今年第1四半期の輸出量は7万2840トンをマーク、今年通年では、昨年の27万5000トンを上回る35万トンの輸出を目指している。Jiscoは原料の熱間圧延コイルの大部分を傘下のJindal Vijayanagar Steel (JVSL)から調達している。