2002-07-30 ArtNo.29377
◆非鉄金属部門、テレコム/電力部門の復調に乗じ成長?
【ムンバイ】今年初2ヶ月(2002/4-5)の工業生産指数(IIP)の伸びが昨年同期の1.4%から5.5%に復調する中、インドの非鉄金属部門は、国内需要の拡大を見越して生産の拡張を図っている。
インディアン・エクスプレスが7月29日伝えたところによると、国内における非鉄金属部門の生産拡大は、主要消費者のテレコム及び電力部門の復調を予想したためと見られるが、米国や他の先進国経済の先行きが不透明な上、先進国における在庫が拡大しつつあることからアナリストらは、輸出の拡大は期待薄と見ている。
カレンダー・イヤー2002年の年初5ヶ月(2002/1-5)の銅の生産は、昨年同期の6万6003トンから14万2054トンに115%、アルミニウムは同25万656トンから28万3970トンに13%、亜鉛は8万3873トンから8万8488トンに6%、それぞれ増加した。しかし鉛の生産だけは昨年同期の1万6367トンから1万4817トンに9%下降した。
アルミニウム、銅、鉛、亜鉛の世界生産は同期間に1-2%増加したにとどまり、工業部門における需要の低迷から在庫の拡大が生じている。こうした中で非鉄金属の価格は国際市場においても国内市場においても、静止状態に陥っている。
またアルミニウム、銅領域の国内プレーヤーは、遠からず中国との競争に直面する見通しだ。目下のところ中国はこれら品目の主要市場になっているが、中国自体が急速にアルミ/銅の生産能力を高める中で競争の加熱が予想される。
鉛と亜鉛の需要に関しては、自動車部門と鉄鋼部門の復調の如何にかかっている。
業界観測筋は、「電力/テレコム関連の新規プロジェクトが続々着手されるなら、非鉄金属部門は活況を回復する」と見る一方、その鍵は『外国投資家の参加が得られるか否か』、また『世界経済の復調の如何』にかかっていると見ている。しかし、国内の非鉄金属プレーヤーらは、「一旦米国経済が復調すれば、アジアや南アジア諸国の需要も拡大する」と期待している。これに対してアナリストは、「国内プレーヤーにとって今は、国際市場進出に先立って態勢を立て直し、基盤を補強する良い時機」と評している。
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