2002-07-23 ArtNo.29329
◆CCMB/I-Lab、ゲノム研究データベース・ツール開発
【ハイデラバード】アンドラプラデシュ州Hyderabad拠点の細胞・分子生物学センター(CCMB:Centre for Cellular and Molecular Biology)は、Srini Raju一族に率いられるI-Labsと共同で、遺伝性疾病の研究を手がける世界の製薬会社をターゲットにした単純反復配列データベース(Simple Sequence Repeats Database)ツール“inQuest”を開発した。
インディアン・エクスプレスが7月22日、I-Labsのバイオインフォマティクス部門、IngenovisのSatish Kumar主任の言として報じたところによると、同社は、ヒト・ゲノムの分析を容易に行えるユニークなソフトウェアを開発した。
ヒト・ゲノムの分析を手がけるCCMBは、GATA(転写因子)Repeatと称する重要なベース分析に腐心して来た。遺伝的構成を示すGATA Repeatは、性別を判断する際の最も重要な遺伝子配列とされ、デオキシリボ核酸(DNA)を構成する化学物質A/C/G/Tの4つのベースから成っている。
新ソフトウェア・ツール“inQuest”により、30億ベース以上存在するあらゆるゲノムについて単純反復配列(SSR:simple sequence repeat)法を用いた分析が容易に実行できる。新ツールは僅か数分間で、あらゆるゲノムを透視した後、この種のベースを抽出、データベースを作成することができる。
一般にこの種の分析作業にはスーパー・コンピューターが用いられるが、“inQuest”は分散型コンピューティング・プリンシプル・ソフトウェア・メソロジーを用い、個々の作業を複数のサブ作業に分割処理するため、通常のパーソナル・コンピューター(PC)でも作業を遂行できる。
既に、同ソフトウェアは英国の著名な科学者2人に提供され、極めて高い評価を得た。関係ソフトウェアの著作権はCCMBとI-Labsが共同で所有している。両者は目下、新薬の開発を手がける複数の米国企業に同ソフトウェアの売り込みを図っており、この種のソフトウェアの世界市場規模は5億米ドルと見積もられると言う。
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