【ニューデリー】鉄鋼各社は間もなく第1四半期(2002/4-6)の業績を発表するが、大部分の企業がトップラインばかりでなく、ボトムラインの大幅な改善を成し遂げたものと見られる。
ビジネス・スタンダードが7月13日伝えたところによると、国内最大の鉄鋼メーカー、Steel Authority of India Ltd (SAIL)の第1四半期の販売量は、前年同期の182万トンから232万トンに26%アップ、取り分け国内販売は32%の伸びを見た。
Essar Steelの第1四半期販売量はやはり15万トンから20万トンに33%アップ、国内最大のステンレス・スチール・メーカー、Jindal Stripsの販売量も35%の増加を見た。
加えて今会計年度に入って以来、国際的な需要の拡大と東欧における在庫が底をついたことから熱間圧延(HR)コイルの国内価格は35%、冷間圧延(CR)コイル価格は15%、ステンレス・スチール価格は8%、それぞれアップした。こうした値上がり基調は今年12月まで続く見通しだ。
また中国がインド鉄鋼業界の主要な輸出市場として浮上しており、中国は来年は2000万トンの輸入を予定している。この他、経済協力開発機構(OECD)における不採算設備の閉鎖も鉄鋼産業の見通しを明るくした。また国内市場における鉄鋼価格の値上がりを受容する顧客の姿勢も鉄鋼業界に幸いしている。
鋼管メーカー、JindalグループのDP Jindal会長は、「コスト増は100%顧客にパスする方針を決めた」としており、インド鉄鋼連盟(Indian Steel Alliance)のJamshed Irani会長は、市場は鉄鋼価格の上昇を吸収している」と語った。こうした中で鉄鋼会社は、何れも好機に乗じ生産を拡大をするとともに、値上げを行っている。
Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は200クロー(US$4079万)以上を投じて老朽化した第F高炉を回収した。同社筋によると、第1四半期の生産量は第F高炉の改修工事でほぼ横這いにとどまったが、同高炉のキャパシティーは15%アップしたことから、今会計年度のトップラインは10%上昇するものと期待している。長期にわたり赤字経営を続けてきたSAILも今年第1四半期(2002/4-6)には利益の計上を期待している。