2002-07-04 ArtNo.29184
◆3月期四半期の企業税引き利益29%アップ:CMIE
【ムンバイ】インド企業の税引き利益(PAT)は、昨年(2001-02)第2、第3四半期に大幅な落ち込みを見たが、2002年3月期四半期には前年同期比29%アップ、景気復調の兆しを窺わせた。
インディアン・エクスプレスが7月3日報じたところでは、インド経済監視センター(CMIE:Centre for Monitoring Indian Economy)はその最新報告書の中で以上のように指摘している。とは言え今年3月期四半期の売上は依然として1.9%の落ち込みを見ており、全般的需要は依然回復していない。PATの改善は石油製品/製薬/原動機/二輪・三輪車等、一部の部門の好調に支えられた。
今年3月以降の価格動向と生産の基調は、セメント、鉄鋼、人造繊維、繊維、商用車、モーターサイクル、宝飾品等の部門のパフォーマンス改善を示している。
セメント価格は依然低調だが、4-5月の販売は拡大しており、今年を通じてセメント消費は8~10%の成長が見込まれる。
鉄鋼部門のパフォーマンスは3月に改善、鉄鋼価格はその後国際価格に連動し、持続的な上昇基調を辿っている。鉄鋼生産は、自動車、耐久消費財等の部門の需要に支えられ、8ヶ月連続成長を見た。
しかし茶、コーヒー、肥料、アルミニウム、コンピューター・ハードウェア、ホテル、ソフトウェア・サービス等の部門は懸念材料と言える。
4月に値上がりしたポリマー価格は、5月と6月にも安定を維持した。ポリマーの生産の伸びはここ暫く堅調に推移しているが、3月以後の価格の回復は、同部門の見通しを一層強化した。
石油精製部門は2001-02年には、新設備の稼働で高成長を遂げたが、今年の成長は低調に推移するものと見られる。
乗用車、モーペッド、スクーターの販売は依然回復していないが、商用車とモーターサイクルの売上は健全な伸びを見ている。
宝飾品産業のパフォーマンスは良好で、今年は輸出の伸びが期待できる。
繊維及び人造繊維の価格も、国際価格の上昇や国際需要拡大に対する期待から上向いている。一部の繊維会社のパフォーマンスは改善しており、輸出の伸びと価格の回復が望めるが、輸出データには今のところ改善は見られない。
CMIEは、以上のトレンドは予想通りのもので、3.5%の今年(2002-03)の工業生産成長見通しを直ちに修正することはないと付言している。また同センターは、農業部門に関して、譬え降雨量が十分で有っても、2%の成長にとどまると予想している。
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