【ニューデリー】Wipro Ltdはバランス・シート上の在庫を2001年の11億5000万ルピー(US$2345.6万)から2002年の748ルピー(US$15)に、正に一掃した。
エコノミック・タイムズが6月30日報じたところによると、30クロー(US$612万)の在庫はWipro Fluid Power Ltd(旧社名NetKracker Ltd)に移転、またインド及びアジア太平洋地域売上の14%減少に伴い在庫水準は9.4クロー(US$192万)下降した。Wipro Ltdの在庫には、ソフトウェア、ハードウェア、Asia-Pacific IT Products and Servicesの製品、Wipro Consumer Care and Lightingの完成品が含まれる。
投資面では、短期資金市場に412.6クロー(US$8415万)が、Spectramindの17%のシェア取得及びFluid PowerからWipro Fluid Power Ltdへのビジネスの移転に36クロー(US$734万)が、それぞれ投資された。
また操業面では、ベンチ待機の従業員が増加した。ソフトウェア・サービス従業員の65%に相当する9626人は如何なるプロジェクトも担当しておらず、2001年の60%を上回った。しかし売上に占める同コストは前年の52%から53%に僅か1%ポイント・アップしたにとどまった。これは不景気にも関わらずサービス料率(Billing rate)の健全な成長が維持されたため。いわゆるビリング・レートは、ソフトウェア会社が外国顧客から徴収する1人時(manhour)当たりの料金で、ウィプロのオンサイト料金は前年比15%、オフショア料金は同12%アップした。これは大部分のソフトウェア会社が料金引き下げを強いられた状況下においては、驚異的な伸びと言える。
ウィプロはまた1400クロー(US$2.855億)の現金もしくは現金同等物を投じて企業買収を行う野心的計画も続行する。Azim Premji会長によると、もし同額が投資されないなら、1株当たりの投資収益は下降する。情報技術(IT)サービス会社の買収を通じ、顧客に対するサービスを拡大、総合化できる。また買収した企業の海外顧客も手に入れることができる。目下のところ米国のITコンサルタント会社の買収を計画しており、これにより最も重要な米国市場におけるフロント・エンドを強化できる。
一方、ウィプロ・グループのグローバルITサービス子会社Wipro Technologiesは、2004年までに年商40億米ドルを目指す“4X4”ビジョンを掲げており、同ゲーム・プランの鍵も大型企業買収もしくは一連の企業買収の成否にかかっている。
とは言え、Wipro Technologiesの2002年3月期の年商は2300クロー(US$4.7億)に過ぎず、三桁の成長を遂げた数年前ならともかく、現在の情況からすれば2004年に40億米ドルの年商を上げる可能性は少ないようだ。