【ニューデリー】鉄鋼価格の現在の上昇基調が持続すれば、鉄鋼会社は今会計年度売上に3000クロー(US$6.12億)を上乗せできる見通しだ。
エコノミック・タイムズが6月23日報じたところによると、Essar Steel Ltd(ESL)のJitender Mehra重役(MD)は、熱間圧延(HR)コイル価格が今会計年度末までにトン当たり330-360米ドルまで値上がりするなら、以上の見通しが現実のものになると指摘した。同氏によると、国内鉄鋼需要は今年6%の成長が見込まれると言う。
SalomanSmithBarneyの鉄鋼報告書も同様の楽観的見通しを伝えている。それによるとトン当たりHRコイル価格は、今年第3四半期には330米ドルをマーク、2002年12月までには360米ドルに達する見通しだ。330米ドルの価格なら過去2年来の値下がりの70%を回復したことになるが、依然として1997年に記録された360米ドルのピークを8%下回る。
インド市場は、欧州の鉄鋼価格をフォローしているが、最近値上げを発表したThyssenKruppは第3四半期に一層の値上げを予定している。米国の保護関税導入に加え、それに伴う取引の解約も懸念されているにも関わらず、欧州市場における値上げの動きは強まっている。
China Steelも最近値上げを発表、国内経済の力強い復調と需要の増大を値上げの理由として掲げた。
こうした中でインド鉄鋼業界も国際的な潮流に便乗、アグレッシブに値上げを行い、生産目標を上方修正している。Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は、今会計年度生産目標を2001-02年度実績を6.4%上回る380万トンに設定するとともに、高付加価値の冷間圧延(CR)鋼製品の生産比率を昨年度の29%から35%に引き上げ、低付加価値の半完成品の比率を13%から6%に引き下げた。