SEAnews 2002-06-17 ArtNo.29047

【ニューデリー】連立与党全国民主連盟(NDA:National Democratic Alliance)が押すミサイル科学者APJ Abdul Kalam氏を野党第一党の国民会議派も支持する方針を決めたことから、仮に投票が行われても圧倒的多数でKalam氏が大統領に当選することがほぼ確定した。
インディアン・エクスプレスが6月14日報じたところによると、国民会議派スポークスパースン、S Jaipal Reddy女史は13日記者会見し、Sonia Gandhi女史を初めとする党幹部は、全般的状況を配慮し、インドの科学技術の発展に貢献したKalam氏を一致して支持する方針を決めたと語った。
席上、記者から「ＮＤＡが押す候補者は支持しないと言う左派政党との了解事項に反しないか」と質問されたReddy女史は、「左派政党との関係は、成熟した政見・教義に基づくもので、今後も維持される」と答えた。それによると国民会議派幹部のK Natwar Singh氏とManmohan Singh氏がインド共産党ＣＰＩ(M)のHarkishen Singh Surjeet書記長と会見、党の方針を伝えた。しかしバジパイ首相にKalam氏を支持する方針を伝える義務はなく、また副大統領候補に関して与党とは何も取引していないと言う。
国民会議派は当初、左派政党とともに、KR Narayanan大統領の再選を支持、大統領に野党候補として再選を目指すよう働きかけた。ソニア・ガンディー女史がNarayanan大統領と同問題を協議した際、大統領は「自分はオープン・マインド」と答えたとされるが、与党がKalam氏を候補者に立てる方針を発表後、大統領は再選を目指さぬ方針を決めた。
左派諸党／Janata Dal-Secular／Samajwadi Partyから成る人民戦線(People's Front)は、Samajwadi PartyがKalam氏支持に回ったことから分裂、加えてケララ州のAK Antony首席大臣等、国民会議派の一部もKalam氏支持を表明したことから、国民会議派執行部に選択の余地はほとんど残されていなかったとされる。