2002-06-11 ArtNo.29030
◆RCF、ヒンドスタン有機化学民営化への入札見合わせ
【ムンバイ】公共部門の肥料会社Rashtriya Chemicals & Fertilisers (RCF)は、Hindustan Organic Chemicals (HOCL)が負うた損失と債務を配慮し、HOCL政府持分買収レースから途中退場した。
エコノミック・タイムズが6月7日報じたところによれば、RCF取締役会は管理層により提案された入札見合わせの方針を承認した。RCFはHOCLの32.6%の政府持分買収レースの先頭ランナーと目されていた。インド政府は現在HOCLの58.6%のシェアを握っており、持分の売却は6月末までに完了するものと予想されている。RCFの退場でHOCLの政府持分は、残る入札希望者2社、Deepak FertilisersとAtul Ltdにより争われることになった。
HOCLの2002年3月期年度損失は90クロー(US$1836万)に拡大した。HOCLは合計400クロー(US$8158万)の負債を抱えており、50クロー(US$1020万)の金利負担がボトム・ラインを悪化させた。インド政府は間もなくHOCLの債務再編計画を発表するものと見られる。
HOCLはRCFから硝酸やアンモニアを購入しており、RCFは当初両社業務の相互補完的関係に注目していた。しかし化学品に対する関税が引き下げられ、シンガポール方面から大量の化学品が流入したことにより、HOCLの事業見通しに陰影が生じた。加えてHOCLが関係する合弁会社Hindustan Fluro Carbonは不健全会社と認定され、長期にわたり産業財政再建局(BIFR:Board for Industrial and Financial Reconstruction)の管理下に置かれている。またRCFのプラントは小規模で、国際水準を備えていない。こうした点が、RCFがHOCL政府持分に対する入札を見合わせた理由と見られる。
一方、RCFの民営化計画はさしたる進捗を見ていない。しかしRCFとHOCLの株価は、政府による持分売却の噂が伝えられて以来、高水準を保っている。
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