【ムンバイ】鉄鋼一次製造業界の復調が伝えられる中、二次製造業者、取り分け冷間圧延鋼メーカーの中に原料の熱間圧延鋼を確保できず、暫時操業を停止するものが出ている。
エコノミック・タイムズが6月10日報じたところによると、例えばBhushan SteelやVardhman Steelは、冷間圧延ユニットのシャッターを下ろしている。冷間圧延メーカーらは、「毎月値上げが行われることから、トレーダーの中には供給を停止して、値上がりを待つものが出ている。また国際市況が活況を呈する中で、一次メーカーらは、国内供給よりも輸出に力を入れている」と苦情を述べている。
熱間圧延鋼のトン当たり価格は、米国では420米ドル、欧州では280米ドルと30~40米ドル値上がり、国内市場でも過去3ヶ月間にトン当たり3000ルピー・アップし、1万4500ルピー(US$295.74)に達している。
冷間圧延鋼製造業者協会(CORSMA:Cold Rolled Steel Manufacturers Association)のS C Mathur理事は、「北部の多くのユニットが原料確保難から操業停止を強いられている」と深刻な事態を確認した。それによると、鉄鋼業界はほんの5ヶ月前には供給過剰に悩んでいたが、今や熱間圧延鋼100万トンが不足している。国内冷間圧延業界の熱間圧延鋼需要は600万トンを超える。内訳は、純粋な冷間圧延業者が300万トン、鋼管メーカーが200万トン以上、その他の小規模業者が100万トンと言う。
Steel Authority of India Ltd (SAIL)幹部は、「冷間圧延業界全てが影響を受けている訳ではなく、サプライ状況に対する見通しを欠いたものが、困難に直面している」と指摘した。それによると、Bhushan Steelは年産120万トンのTisco、同55万トンのJindalグループに次ぐ、国内第3の冷間圧延鋼メーカーで、年産50万トンのキャパシティーを備えている。Bhushan SteelはTata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)に原料供給を大きく依存しているが、TiscoはJamshedpurに独自の冷間圧延施設を設け、生産した熱間圧延鋼の大部分を社内で加工するようになった。Jindalもグループ企業Jindal Vijaynagarから熱間圧延鋼の供給を受けていると言う。
こうした中で冷間圧延鋼メーカーらは政府に接触、輸入規制を解除し、熱間圧延鋼の供給逼迫を緩和するよう働きかけていると言う。