SEAnews 2002-06-04 ArtNo.28958

【ニューデリー】Coal India Limited (CIL)は化学肥料業界や電力業界に供給する石油代替燃料を石炭から製造するため南アフリカの大手石油企業Sasol Oilと提携交渉を進めている。
インディアン・エクスプレスが6月3日、石炭工業省筋の消息として報じたところによると、キャパシティー180万トンの最初の合弁事業はチャッティースガル州／ジャールカンド州／マドヤプラデシュ州の何れかの州で進められ、投資額は1億米ドル前後と見積もられる。その後、他の石炭産地でも同様のプロジェクトが手がけられることになる。この種の燃料はナフサに替えて肥料会社や電力会社に供給できる他、ディーゼル油より30％割安でクリーな交通燃料としても利用できる。したがってプロジェクトが実行されれば、国内燃料市場の様相は一変する。こうしたことから国内石油会社3社もプロジェクトに関心を表明しており、間もなく鉱業省次官に率いられる代表団が南アフリカに赴き、Sasolと関係問題を協議、7月には覚書が交換される見通しだ。
先週木曜、南アフリカのPhumzile MLambo Ngcuka鉱業・エネルギー相に率いられる代表団がインドを訪れ、Ravi Shanker Prasad石炭産業・鉱業担当国務相を初めとするインド側代表と初歩的協議を行った。
Prasad国務相によると、全てが初歩的段階に有り、何も具体的内容は決まっていないが、インド・サイドはプロジェクトを進める方針を決めており、双方は合同委員会を設けて検討することで合意した。建設が予定される工場には“coal-gasification-liquification technology”が用いられる。民間部門に関係技術が提供される際、もしくは共同でプラントを設ける際には、ＣＩＬが関係技術の独占ディストリビューターを務め、石炭鉱業区のオークションも同社が行うと言う。