【ニューデリー】自動車用バッテリー/インバーター/UPS方面の需要が増加した反面、国内生産が下降したことから、今年(2002-03)は鉛の輸入が20%ほど拡大する見通しだ。
ビジネス・スタンダードが6月1日報じたところによると、Bank of Nova ScotiaのPrem Nath氏(元基礎金属担当マネージャー)はこのほど同紙に以上の見通しを語った。それによると、今年の鉛輸入量は昨年の8万5000トンから10万トンに拡大する見通しだ。今年の国内鉛消費量は昨年の17万から19万トンに拡大するものと見られる。これに対して現在の国内生産量は7万トン前後と見積もられる。
主要な鉛消費者としてはExide BatteriesとAmara Raja Batteriesを挙げることができる。前者は年間5万トン、後者は同3万5000トンの鉛を輸入している。インドは主に中国/マレーシア/インドネシア/オーストラリアから鉛を輸入している。
厳しい環境基準の導入でインドにおける鉛の生産コストが大幅にアップしたことから、少なからぬ鉛生産者が倒産に追い込まれ、生き残ったものも生産規模の縮小を強いられている。インド国内におけるトン当たり鉛の生産コストは3万4000ルピーであるのに対し、ロンドン金属取引所の平均価格は2万ルピーに過ぎない。
こうした中でインド国内の主要鉛生産者、Hindustan Zincはキャパシティー以下の年間3万~3万5000トンを生産、もう1社の主要鉛生産会社Indian Leadは操業を停止したと言う。