2002-05-21 ArtNo.28855
◆タタ、Jamipol持ち分をデグサ子会社に売却?
【ジャムシェドプル】鉄鋼業界向け脱硫化合物(DC:desulphurising compounds--鉄鋼製造過程で硫黄の含有量を引き下げるのに用いられる)の製造を手がけるJamshedpur Injection Powder Ltd (Jamipol)に42%出資するTata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は、一部持ち分の売却を図っており、既存パートナーのSKW Metallchemieが買い取る見通しだ。
インディアン・エクスプレスが5月17日報じたところによれば、TiscoはMcKinseyの勧告に基づき非中核ビジネス、Jamipolの持ち分縮小を計画しており、Jamipolが必要とする技術を保持し、Jamipolのビジネスを拡張する潜在性を備えたものにそのシェアを売却する方針とされる。
資本金11.25クロー(US$230万)のJamipolとライセンス&ナレッジ協定を結んでいるSKW Metallchemieはドイツの化学企業Degessa GmbHの子会社で、欧州脱硫試薬(desulphurising reagents)市場の50%以上のシェアを握っている。SKWはTiscoの持ち分売却の方針を受けて、額面10ルピーのJamipol株式の評価をKPMGに委ねた。KPMGの評価作業は今月末には完了する見通しだ。
観測筋によると、SKWが西ベンガル州Durgapurに最近設けた完全出資子会社Stollberg India Ltdは、鉄鋼業界向けキャスティング・パウダーの製造を手がけている。このためSKWがJamipolの持ち分を拡大することは同社にとって有意義と言える。SKWはStollbergの設立に際してJamipolを合弁パートナーにすることを検討したが、同構想は実現しなかった。
Tiscoは、7月のJamipol取締役会後に、持ち分売却の量や価格に関する交渉を開始する方針だ。その際にはKPMGの評価が交渉のベースになるものと見られる。また第3のパートナー、Tai Industries of BhutanもJamipol持ち分を縮小する可能性が予想されている。
Jamipolはシングル・シフトで年間1万5000トンのDCを製造しており、製品の65%をTiscoに納入している。またある種のバランシング装置を追加することにより、DCの年間生産能力を2万5000トンに拡大することができると言う。
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