2002-05-03 ArtNo.28738
◆政府、MUI支配権放棄プレミアム巡りスズキと合意
【ニューデリー】インド政府とスズキが50:50の対等出資で経営するインド最大の乗用車メーカー、Maruti Udyog Limited (MUL)の支配権をインド政府が手放すプレミアムを巡る両パートナー間の合意が成立、MUL民営化の主要なハードルがクリアされた。
インディアン・エクスプレスが5月1日、政府持分処分省のPradip Baijal次官の言を引用し報じたところによると、インド政府とスズキは関係プレミアムの額を1000クロー(US$2.04億)前後とすることで合意したようだ。Baijal氏と重工業省のRavindra Gupta次官に率いられるインド政府代表チームはスズキ側代表チームと会談し、以上の合意に達した。同次官によると、最終決定は政府持分処分閣僚委員会(CCD:Cabinet Committee on Disinvestment)により下される。
消息筋によると、両次官により準備された報告書は政府持分処分問題に関する関係省庁の次官クラス中核グループ会議(CGSD:core group of secretaries on disinvestment)の検討に付される。CGSDは同検討結果をCCD会議に提出、CCD会議の席で、MUL政府持分処分の最終方針が下されることになる、
一方、PTI通信が伝えたところによると、インド政府は400クローの株主割当の放棄とは別に、最大5%の持分を処分する見通しだ。
MULの政府持分処分のプロセスは、他の政府系企業のそれとは若干異なっている。戦略パートナーは既に存在し、両パートナーはそれぞれの持分を相手の承認を求める必要なく処分できる。政府は昨年2月にMUL持分を2段階に分けて処分する方針を決めた。
同計画の下、第1段階では、400クローの株主割当が行われ、政府割当分は国内金融機関により引き受けられる。これにより政府がその持分を縮小させた後もインド・サイド全体としては依然としてMULの2分の1のシェアを維持でき、MULはその財政基盤を強化、政府持分の市価も高まる。そして第2段階では、政府がその持分を直接売却するはずだった。しかし国内金融機関が、MUL株主割当の引き受けに消極的姿勢を見せたことから、計画は第1段階のスタート時点で壁に直面した。
このため政府はやむなく政府に対する株主割当も引き受けるようスズキに求めるとともに、株主割当放棄のプレミアム(renunciation premium)と支配権益掌握のプレミアムの支払いをスズキに要求した。政府とスズキそして中立グループが指名したバリュアー3社がMULを評価した結果、3バリュアーの評価額の平均は4400クロー(US$8.99億)前後と算出されていた。
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