2002-03-11 ArtNo.28376
◆UTStarcom、インド・テレコム市場開拓に本腰
【ニューデリー】有線から無線へのシームレスな接続を可能にする総合的なソリューションを提供する米国拠点の通信機器会社UTStarcom(ユー・ティー・スターコム)は、中国市場における成功の再演を目指し、インド・テレコミュニケーション市場への進出を準備している。
インディアン・エクスプレスが3月6日報じたところによると、年商6億2600万米ドルのナスダック登録企業は、パーソナル・アクセス・システム(PAS)の中国における爆発的ヒットで、総売上の90%を中国で実現した経緯がある。
UTスターコムのRuchir Godura重役(南アジア担当OD)は、中国とインドは多くの共通点を有することから、インドでもかなりの契約が獲得できるものと期待していると語った。同氏によると、基本電話サービス・プロバイダーはPASを通じ、銅線網を音声/データ・サービスに対応したハイ・キャパシティーなワイヤレス・ネットワークに転換できる。これにより基本電話サービス会社は従来型の既存インフラを通じ、ベーシックな音声サービスとともに最先端のデータ・サービスを低コストで提供できる。PASは1平方キロ当たり1万5000の契約者にサービスでき、1万から100万以上の契約者を要する如何なる都市でも採用できる。
中国では主に固定電話回線会社China Telecomが約500都市に1000万PASラインを敷設している。インドでは、政府系のMahanagar Telephone Nigam Ltd(MTNL)が目下、採算が見込めぬOkhla及び東部Kailashに4000ライン、Chandni Chowkに1000ライン、合計5000ラインのPASを導入、試運転を進めている。UTスターコムはTata Tele-services、Bharti、Relianceとも商談を進め、PASの売り込みを図っている。UTスターコムはベンダー・ファイナンシングは提供していないものの、サード・パーティー・レンダーを通じた融資便宜を提供している。
UTスターコムは、この他、インターネット・プロトコル(IP)ベースのスイッチング・プラットフォーム“mSWITCH ”及び狭帯域/広帯域双方のトータル・ソリューションを提供できる総合的なマルチ・サービス・プラットフォーム“AN-2000”の販売を手掛けており、既にBharat Sanchar Nigam Ltd、Hughes Tele.com、Shyam Telelink、HFCL Infotel等に納入している。
またHimachal Futuristic Communications Ltd (HFCL)と技術移転協定を結び、後者を通じて交換機をインド国内で製造する態勢も整えている。しかし今のところ直接独自の製造施設を設ける計画はない。同社はまたハリヤナ州Gurgaonに研究開発(R&D)センターを設ける方針と言う。
|