2002-02-26 ArtNo.28282
◆石油省、HPCL/BPCL民営化にONGCの入札アレンジ?
【ニューデリー】国営石油会社に対する影響力喪失を恐れる石油天然ガス省は、Hindustan Petroleum Corporation Limited (HPCL)とBharat Petroleum Corporation Limited (BPCL)の民営化に、別の国営企業Oil and Natural Gas Corporation (ONGC)を入札させるべく秘かに準備しているようだ。
インディアン・エクスプレスが2月24日報じたところによると、政府筋はこの点に関して、「これは探査/精製/製品マーケッティングの3方面に権益を有する総合的な国営石油会社を誕生させることを目指したもので、ONGCは同目標を実現する財政能力を備えている」と語った。興味深いことは、石油省のこうした裏面工作は、政府が国営Indian Oil Corporation (IOC)のHPCL/BPCL入札への参加を禁じたのと時を同じくしていること。
上流部門の石油/ガス探査を手掛けるONGCにとって石油精製ビジネスは決して未知の領域ではなく、同社はアンドラプラデシュ州に小規模な精製施設を設けている。加えてONGCは数年前に国内最大の石油精製会社IOCとの株式持ち合いを通じ、石油精製と製品マーケッティングの双方に間接的なプレゼンスを築いた。
HPCL/BPCL民営化入札へのONGCの参加問題に直接回答することを避けたRam Naik石油天然ガス相は、「IOCは、石油省と政府持分処分省の双方に、HPCL/BPCL入札への参画を禁止されたことに不服を訴える書簡を提出しており、自分は近くArun Shourie政府持分処分担当国務相と同問題を協議する。また必要が有れば、政府持分処分担当閣僚委員会(CCD:cabinet committee on disinvestment)に同問題を提起する方針だ」と語った。同相によると、IOCを除けば、誰でもHPCL/BPCL民営化入札に参加できる。ONGCが参加するかしないかは、ONGCの判断次第と言う。
ONGCのSubir Raha会長兼MDは、インディアン・エクスプレスのインタビューに対して「理論的には実行可能だ。しかし大蔵省はONGCの原油生産に課税することを検討しているとされ、もし実際に課税されるなら、ONGCの財政状況に深刻な影響が生じる。したがって同社の将来の投資計画は、偏に政府の決定の如何にかかっている」と語った。
政府持分処分省筋は、「仮にONGCがHPCL/BPCLの入札に参加するとすれば、強力な競争者になる。そのことはIOCが石油小売会社IBPの権益を落札したことにより既に証明されている」とコメントした。
インド政府は間もなくHPCL/BPCL持分の売却プロセスに着手する見通しで、Arun Shourie政府持分処分相は、先週金曜、両社は次期会計年度に民営化されると発表した。今月27日に催されるCCD会議の席で最終決定が下されるものと見られる。
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