2002-02-05 ArtNo.28145
◆昨年のGDP下方修正に伴う今年度GDPアップは期待薄
【ニューデリー】中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)が2000-01年の国内総生産(GDP)成長率を大幅に下方修正したことから、一部に2001-02年のGDP成長率が上方修正されると期待する向きもあるが、統計学上の方法論からすれば、今年度のGDPに対するその種の波及効果はほとんど皆無と言う。
エコノミック・タイムズが2月4日伝えたところによると、統計局は昨年のGDP成長率を2%ポイント下方修正したが、同見直しの大部分(82%)は、これまでの多くの見直しが農業部門であったのとは異なり、サービス部門に集中している。取り分け貿易、運輸、通信、金融・ビジネス・サービス部門の成長率が大幅に下方修正された。
統計局は大部分のサービス産業の成長予測に際して、少なくとも初期段階では直接GDPの絶対値を算出している訳ではなく、ある種の指標中に見出されるトレンドをベースに算出している。例えば金融サービスの2000-01年度の成長率は今やマイナス成長と予想されているが、今年度の金融サービスの成長率予測は、大体において今年度中に生じた預金と貸出の推移をベースに算出され、昨年度の成長率予測の修正とはほとんど関係していない。今日では金融機関の四半期業績が発表されているにも関わらず、統計局は依然として経済指標中のトレンドに基づいて成長率を算出している。このため2000-01年度のサービス部門GDP成長率の下方修正は、2001-02年度のサービス部門の成長率にはほとんど影響を及ぼさない。今後の予測に際して、これらの部門別予測の修正が取り入れられる可能性はあるものの、その影響の大きさは、例えば農業部門における成長率予測の修正の際とは比べものにならない。
統計数字上の問題はさておき、今回のサービス部門の成長率の大幅な下方修正は、サービス部門がコモディティー部門のパフォーマンスから独立して成長を遂げることに対する疑問を生じさせた。2000-01年のサービス部門の成長率は4.8%と、1991-92年以来の最低をマークした。サービス部門の成長率が5%を割り込んだのは過去20年来、今回を含めて2度目と言う。
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